坂井瑠星のマッドクールが高松宮記念を勝った。
もはやこれしきのG1を勝ったくらいでは喜びもそこそこである。
もっとこう、デビューから手綱を取ってきた相棒とクラシック制覇とか、それくらいのレベルじゃないと響かん。
贅沢な話だが。

とはいえその騎乗ぶりは見事。
勝因はコース取りに尽きる。
香港のビクターザウィナーが直線で馬場の真ん中に持ち出したのとは対照的に、迷わずラチ沿いを選択。
内一頭分のコンディションがいいことを把握していたからこその判断が光った。

これで土日の重賞を勝って、来週はまたドバイへ遠征。
フォーエバーヤングとケンタッキーダービーへ続く道を力強く歩んでほしい。



しかし複雑なのはナムラクレアが2着だったこと。
縁のある長谷川浩大調教師にG1を勝ってほしい想いはずっとある。
ましてこれまで何度も惜敗を繰り返してきたこの馬だけに。

応援する騎手が勝ったにも関わらず喜び切れなかったのはなかなかない経験である。