突然ですがヒカルランナーという馬をご存知でしょうか。

■ ヒカルランナー
http://db.netkeiba.com/horse/2009109113/

1000万下クラスに所属する9歳馬。
そう、ゴールドシップやジェンティルドンナらの同期にあたる。
毎回、後方まま空気のような存在を保ちつつレースを終えていく。
馬券は常にシンガリ人気。単勝万馬券。数えてみたら16戦連続である。
しかも100倍とか生易しい数値ではなく、
平気で300倍400倍のオッズを叩き出してくる。

この訳の分からない存在に気づいたのが、約1年前。
阪神の夙川特別に出ていたときのことであった。
以降、JRA-VANのお気に入り馬にリストアップする程度にはその動向を追いかけているw

血統に目を向けると、父はスクワートルスクワート。産駒のJRA重賞勝ちはない。
それ以上に強烈なインパクトを放つのが、「母父トウショウボーイ」のパワーワードである。
天馬の血を色濃く受け継いだ馬が、
今もなお中央競馬で走っているという事実は重い。
※ netkeibaで調べてみたら現役では4頭いた


正直、ここから上がり目などあるはずがないのに、
一体なぜ現役を続けているのだろう。
非常に謎。

管理するのは美浦の柄崎厩舎。
もう何年も年間ひと桁しか勝てていない、関東の闇深厩舎のひとつ。
テンイムホウという牝馬がいたことは何となく覚えているが、
はるか昔にドクタースパートで皐月賞を制した過去があることは、
先ほど調べていて初めて知った。

そして馬主の安蒜一修さん。あんびるかずながさん。
デビュー当時は生産者の安蒜忠圀さんが馬主の名義にもなっており、
たぶん一族の中での名義変更があったのでしょう。
生産地が岩手県になっているが、
古くから続く由緒正しき牧場だったりするのだろうか。
勝負服はてんとう虫模様の超昭和風なデザインで、
明らかに突然出てきたオーナーブリーダーというわけではなさそう。
調べてもこれといった活躍馬が出てこないこともあって、
とにかくわからないことだらけだ。



維持費が発生し続けても現役を続ける理由はどこにあるのか。
それとも人生がそうであるように、
理由なく続く競走馬のキャリアというものも存在するのだろうか。

ヒカルランナーよ、何のために走る。誰のために走る。
そんな疑問を我々に抱かせながら、明日も元気に中山8Rに出走する。
鞍上は岩部純二騎手。
きっと今回も間違いなくダントツのシンガリ人気でレースを迎えることになるだろう。

いつも通り、後方から適当に末脚を伸ばして終わる無気力なレースぶりを見届けたい。