これが競馬、これがG1やと思うんですよ。

強い馬同士が死力を尽くして戦うゴール前。
どの馬も余力なんてない、ヘロヘロになりながらの併せ馬。
前が止まらない、内の馬場がいい....
それがどうした。

脚を失くした馬は順番に脱落を余儀なくされ、
最後まで残ったのは、本当に力のある馬だけ。

先に抜け出し、堂々と先頭を目指す本命馬に対し、
磨きをかけた末脚で襲いかかる挑戦者。

見ていて気持ちよかったですよ。
こういう競馬なら、たとえ馬券がハズレても納得できると思いません?

「前が詰まった」「ペースが遅かった」....
後からジョッキーの言い訳コメントなんて聞きたくないんですよ。

本当に見応えのある、息詰まる熱戦。スカッとした気持ちになれるレースでした。

● 展開
・ラップタイム
12.5 - 10.6 - 12.5 - 13.0 - 12.7 - 12.6 - 12.5 - 11.9 - 11.9 - 11.3 - 11.6 - 11.9 = 145.0 (av. 12.1)

ノットフォーマルの思い切った逃げ。
桜花賞でもこれが見たかった..
中途半端な先行策で超スローに便乗し5着を拾って満足してるようじゃダメだ。
1000m通過61.3秒は十分なミドルペース。
その後も12.6-12.5-11.9と極端に緩めることなくラップを刻んだ。
結果的に脚を失くして13着と大敗は喫したものの、
残した印象は桜花賞の時よりもはるかに強いものとなった。健闘を称える。

● 隊列
ノットフォーマルの逃げからそこまで離れることなく馬群は形成。
番手にはローデッド、内からシングウィズジョイ、
そして注目の桜花賞馬レッツゴードンキも最内枠から好位に付けるが、
やや鞍上が手綱を引く素振りを見せるなど引っ掛かり気味。
1番人気のルージュバックは好発から外めで流れに乗って6番手あたりを確保。
それを見るような形でクルミナルとココロノアイ、
ミッキークイーンはそこから2〜3馬身後ろから。
出たなりで進めたクイーンズリングは後方待機、
そしてキャットコインが最後方から。

● 直線の攻防
馬群を引っ張ったノットフォーマルに替わってローデッドが先頭。
それを目がけてルージュバックも早めに並びかける。
クルミナルも手応えよく外から脚を伸ばし、
坂を上がったところではキャロット2騎のマッチレース。
そこに外から襲いかかってきたのがミッキークイーン。
先に力尽きたクルミナル、そしてルージュバックを捕らえきったところがゴール。

● ひとことメモ
・ 1着 ミッキークイーン
人気のルージュバックを外からねじ伏せる強い競馬でG1タイトル獲得。
桜花賞を除外になり、忘れな草賞に回るなど寄り道を余儀なくされたが、
結果的にはそれが良かったのかもしれない。
遅いペースに各馬が翻弄された桜花賞に出ていても、
恐らく満足なレースは出来なかったことだろう。
2000m戦を問題なくクリアできたことで、
距離に対するメドも立ち、
トライアルよりも間隔をたっぷり取って調整もできた。万全。

ただ、その頑張りを称える一方で、
ゴール後にまず感じたのは秋への不安だった。
なかなか消耗度合いの大きそうなレースだっただけに、
その回復に手間取るようだと秋華賞戦線にうまく乗れない可能性も..
秋のテーマは己との戦い、ということになるのだろうか。

・ 2着 ルージュバック
桜花賞のダメージ、美浦への帰厩が遅れたこと。
色々と不安はあったが、それらは乗り越えられたと見ていいのでは。
先に動かざるを得ない立場ゆえの敗戦。
ただ、本当に強い馬ならあれでも押し切れてるだろうなとも。
マンハッタンカフェの限界というか。
恐らく凱旋門賞は行かないだろうし、秋は国内に専念となるはず。
秋華賞やエリザベス女王杯は向きそうに思うので、再挑戦に期待。

・ 3着 クルミナル
ゲートを嫌う厩舎..偶然なのか、それとも。
約2分ほど枠入りを拒否し、目隠し&バックでどうにか収まるワガママ女子。
スタートも遅かったが、
鞍上が注文をつけながらポジションを取りに行って中団から。
ずっと外を回る形になりながら、
最後まで食い下がったように強い競馬をしている。
スロー専かとも思われたが、平均ペースでも優秀な内容。

・ 10着 レッツゴードンキ
馬の後ろに入れて折り合いを..とレースを進めたが、
その思惑もむなしくガッツリ引っ掛かってしまった。
うまく流れに乗れても距離がどうかという中で、
アレだけ力をロスしてしまってはどうしようもない。

アンドリエッテやココロノアイあたりも、
そこそこは来ているのだが前とは水を開けられての入線。
桜花賞まで無敗で来ていたクイーンズリングもいいところなく敗れ去り、
牝馬クラ路線の勢力図は最後に大きく塗り替えられることになった。
逆にアースライズやローデッドといった、
「出るだけ」だったはずの伏兵が見せ場をバッチリ作ったことが、
超スローの桜花賞とは全然違う質のレースになったことを物語っていた。



冒頭にも書いた通り、
位置取りゲーにならない競馬はアツいですねやっぱり。
オークスの場合、
ペースもさることながら3歳牝馬に2400mをマトモに走れる馬が少ないので、
直線半ばで脱落していく馬が殆ど。
だから馬群もバラバラになるので、
有力馬は思うままの進路取りで余すことなく脚を使える。
競馬の本質ってここにあると思うんですけどね。

ならば来週の日本ダービーも..と期待したいところですが、
こちらは残念ながら2400mでも無難にこなせてしまう馬が多いので、
結局ロスなく運べた馬が上位に残りがち。
特に3着は何が入ってもおかしくない枠なので、
順当決着を望むのは難しいかもしれません。