近年の傾向そのままの決着だったと思います。
きちんと前哨戦を使って、本気でここを狙うモチベを持つ伏兵が勝つという。

● 今年はスローペースの番
● 切れ味勝負なら内枠のディープインパクト産駒
● 力をつけてきた5〜7番人気の伏兵

これスピルバーグのことやん。
いやーお見通しでしたわ。一目瞭然でしたわ。買ってないけど。

序盤のハナ争いはカレンブラックヒルがジワッとハナに立つ形で、
前半1000mは60.7秒で通過。
雨が降ってやや時計のかかる馬場とはいえ、
このメンバーならスローの部類でしょう。
これをジェンティルドンナは3番手イン、
イスラボニータは外の5番手あたりを追走と、
それぞれだいたいイメージ通りの位置取りで勝負は4角へ。

抜群の手応えで先頭に躍り出ようとするイスラボニータを目がけて、
ラチ沿いから襲いかかろうとするジェンティルドンナ。
馬群に突っ込むエピファネイアやデニムアンドルビーの伸びはイマイチで、
そのまま前の2頭で決着かと思われた矢先、
大外から一頭、違う脚色で襲いかかってきたのがスピルバーグ。
あっという間に先頭に並びかけてのゴールだった。

ディープブリランテの勝った日本ダービーで、
安藤勝己のヒストリカルと「併せポツン」を見せた藤沢和雄厩舎の逸材。
その後は長期休養に入り、自己条件からコツコツと白星を重ね迎えた5歳秋。
毎日王冠3着を足がかりに、一気にタイトルをつかみ取った。

高額なネタ馬をターフに輩出し続けてきた山本英俊氏の所有馬はこれがG1初勝利。
本当ならペルーサがもっと早くその念願を叶えたのかもしれないが..
トーセンさんもピサさんもG1を勝てる世の中。
あとはサトノ勢が許される番は来るのだろうか。

北村宏司のG1勝ちがダンスインザムードのヴィクトリアマイル以来というのは別に驚かないが、
藤沢和雄厩舎も同じブランクを挟んでいたのにはびっくり。
さすがにもう少し最近に何か勝っていたと思ったのだが..
かつての威光は失われ、こちらもネタ厩舎へと傾倒しつつあった中での勝利。
レッドレイヴンら次なる未完の大器もこれで目を覚ますか。



ジェンティルドンナはまだまだ自分の条件でなら走れる。
勝ち馬には一瞬の脚でやられたが、
追い比べでイスラボニータは競り落としたのはさすが。
3連覇がかかるジャパンCも現時点では最有力。

イスラボニータは結果的に目標にされてしまったのが痛かった。
外からポジションを取りに行ったことも最後に響いた印象。
とはいえやれることはやったし責められるような敗戦ではない。

あとラブイズブーシェが4着なのが..
実は有馬記念まで凡走を続けてくれればこっそり狙おうと思っていたもんで。
ヒットザターゲットも宝塚記念に続き、「武豊が見せ場を作る役」をきっちりこなした。
毎度おつかれさまです。
エピファネイアは小差とはいえ初めて掲示板を外す結果に。
大阪杯から続くガッカリ敗戦はどこで止まるか。
マーティンボロはポジションを取りに行ったが早々に追い比べから脱落。
たぶん馬券を買ってたらこの馬は買っていたと思います。



このメンバーは当然、ジャパンCや有馬記念で再戦ということになります。
菊花賞でワンアンドオンリーが大敗し、
凱旋門賞組はそれぞれ帰国初戦にG1を迎えるスケジュールになるので、
ここの上位組が有利なのは間違いありませんが、ちょっとレベルが停滞気味なイメージ。
第二のスピルバーグのように、
どこからともなく新星が登場しそうな予感がしています。