「人生、無事是名馬」|雑談系競馬ブログ

2006年創刊の雑談競馬ブログ。主に毎週のレースや好きな馬・ジョッキーについて。時に野球やドラクエについて熱弁。

カテゴリ: 競馬/レース回顧

もしも例年通り大観衆がスタンドに詰めかけていたら、歓声と悲鳴が入り混じっていたことだろう。無敗の三冠を目指して先頭に躍り出るコントレイルに、外から猛然と襲いかかるアリストテレス。あわや差し切ろうかという勢いで馬体を併せながらのデッドヒートが約200mにわたって続いたが、最後の最後は辛うじてコントレイルがクビ差だけ退けた。

まずはコントレイルが背負った使命を果たしてくれたことに安堵したのと同時に、強烈なインパクトを残したのが「敵に回ったルメールの恐ろしさ」。真っ先に思い出したのが、あのハーツクライでディープインパクトを破った05年の有馬記念。日本のほぼ全競馬ファンをフリーズさせたあのドリームクラッシュが15年の時を経て再現されるのかと、迫りくるアリストテレスを見ながら軽く恐怖した。
道中はコントレイルを執拗にマンマーク。動くタイミングも合わせて4角で外から併せにかかると、鬼気迫るアクションで最後まで抵抗し続けた。入線後はてっきり福永祐一に手を差し伸べて祝福でもするのかと思ったがそんな素振りもなく。馬上の姿からも悔しさがにじみ出ているように感じた。

JRAの所属となった近年はアーモンドアイを筆頭に圧倒的人気を背負う立場の乗り役となったが、短期免許で騎乗していた頃は代打の必殺仕事人として鳴らしてきた。カワカミプリンセスを破ったリトルアマポーラ、ヴァーミリアンを破ったカネヒキリなどその実績は枚挙にいとまがないが、当時の職人ぶりを思い出させるナイスファイト。週ナカの展望では「誰かコントレイルを本気にさせてくれ」というテーマで話したが、その答えはここにあった。

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デアリングタクトが無事に牝馬三冠を達成。ああよかった、ホッとした。ゴール前の拍手はよかった。思わずジーンとくるものがあった。



と言いつつ、牝馬三冠についてはもはや「偉業」というほどではなくなりつつあるようにも感じている。理由についてはラジオでしゃべってるけど、時代の変化ですよね。三冠牝馬が頻出するようになったのと、競馬界をリードする牝馬が多く出てくるようになったのも同じタイミング。そういうことよ。

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くり返しになるが、グランアレグリアの強さはとんでもないものだった。出遅れて4角でもまだ最後方、わちゃーやらかしたかと思った次の瞬間、目の色を変えるようなスパートに転じるとあっという間に前との差を詰め、残り100mくらいの地点で勝利を確信。ギリギリ届いたレベルではなく、2馬身もの決定的な差をつけての圧勝に終わるとは。間違いなく世界レベルのスプリンターだ。
一つの勝因として、春に高松宮記念を経験していた点が挙げられるだろう。馬自身が6ハロンの流れを知ったことと、仮に後方からの競馬になったとしてもあれだけの脚を使えるエビデンスを得たことで、今回あの位置の競馬になっても鞍上は慌てずに済んだ。当時とは違う人が乗ってたけどw

一連の流れで感じるのは、ノーザンファームが本気で勝ちに来ているのかなということ。3歳クラシックをはじめとする中距離路線で圧倒的な強さを見せる一方、短距離路線はゴドルフィンら他のグループが互角以上の戦いを見せてきていた。ところが今季はグランアレグリアを1200mのG1に積極投入。アーモンドアイらとの使い分けという事情もあっただろうが、他にもインディチャンプも当初このレースへの参戦を計画するなど、有力馬を送り込む姿勢を見せていた。

今後もこのスタンスが続くようなら、ノーザンファーム色に塗り替えられてしまう可能性も十分。ダート路線と同様、多種多様なプロフィールの持ち主が活躍できるのが短距離路線の魅力だけに、他陣営からすれば全力で抵抗を示してほしいものだ。
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春のクラシック戦線で活躍した実績馬と夏に台頭してきた上がり馬の対戦は興味深いものだったが、結果的には前残りの淡白なレース内容に終わってしまった紫苑S。京成杯オータムハンデも似たような決着だっただけに、土日を通じて中山の馬場状態がそうさせたのかもしれない。

こういう条件になると強いのがマルターズディオサ。チューリップ賞でも2歳女王レシステンシアを負かしたが、これで春秋のトライアルを制覇したことになる。機動力が活きる展開になると持ち味を発揮できる反面、桜花賞やオークスのように持久力を問われるレースになると脆さも見せるだけに、この勝利で秋華賞での期待を高めると肩透かしに終わってしまいそうな予感。

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ゴールドシップ産駒の大挙5頭出しとなった札幌2歳Sは、残念ながら昨年のブラックホールに続く連覇こそならなかったものの、ユーバーレーベンが2着に。他にもアオイゴールドが4着、ヴェローチェオロが5着とそれぞれよく頑張ってくれた。小回りコースの開催最終週、上がりのかかる展開でのロングスパート合戦という条件はピッタリ合うのだろう。来年以降も得意の舞台になってくれそうだ。そのためにもまた一頭でも多くここに送り込めるように..

それにしてもユーバーレーベンのレースぶりはお父さんにそっくり。序盤は流れに乗れず後方に構え、向こう正面から一気にスパート。4角で先頭集団に並びかけると、そこからさらにもうひと伸びで勝ち馬に迫った。普通の馬なら脚を使い切ってもおかしくないところでもうひと踏ん張りが利く。たいしたもんだ。
これで賞金加算にも成功し、来年の春まで青写真を描ける立場になった。問題はこの適性をどこで発揮するかだw 牡馬ならホープフルSや皐月賞に照準を定めればいいが、牝馬の場合は..祖母マイネヌーヴェルが変態的な追い込みで勝ったフラワーCを全力で狙いに行って、あわよくばオークスもくらいがいいかもしれんね。

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相変わらず灼熱地獄が続く関西で過ごしていると信じられないが、日曜の札幌は気温が20度にも満たないレベルだったらしいじゃないですか。ざっくりこっちの半分。同じ国でこんなことが許されていいのだろうか。
天候もだいぶ荒れ気味だったようで、日曜は朝から重馬場での開催。メインレースの時間になっても回復することはなく、厳しいコンディションのもとで行われた。

これが1番人気のダイアトニックには完全にアダとなった。結果だけ先に知った段階ではどん詰まりでもあったかと思ったが、とにかく馬場に苦しんだ。本来ならスムーズに好位を取れるはずが追走に手間取り、4角ではもう後方に。そこから外には持ち出されたものの、もう脚は残されていなかった。函館スプリントSを完勝し、G1でも好勝負してきた強豪すらも沈める馬場の破壊力たるや。

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札幌記念はノームコアの完勝。終わってみれば久々の2000mも何のその。うっかりヴィクトリアマイルを勝っちゃったもんだからその後もマイル路線を進んだものの、もともとは紫苑Sを勝つなど適性は十分。血統的にもむしろベストと言わんばかりの勝ちっぷりだった。

横山典弘も派手さのない好騎乗を見せてくれた。まるで水が流れるように自然と進路を確保し、一切のムダのないレース運びから最後はしっかりと末脚を伸ばした。気をつけていたというスタートと折り合いも非の打ちどころなし。

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小倉記念がうれしい初重賞なら、関屋記念は名手の復活だ。サトノアーサーで戸崎圭太が復帰後初重賞制覇。昨年11月のJBCレディスクラシックで大ケガを負い、競馬場に戻ってきたのは今年の5月。先週までの時点で17勝を挙げるなど、ブランクを感じさせない騎乗ぶりは見せてくれていたが、完全復活をアピールするにはやはり重賞の勝鞍が一番である。

サトノアーサーも、ちょうど戸崎とコンビを組んだ18年エプソムC以来の重賞制覇となった。末脚が強烈なイメージがあるものの、いつも上がり最速をマークできるわけではない悩ましいタイプ。しかし今回は文句なしに突き抜けた。外が伸びる馬場に序盤からペースが流れて上がりが極端に速くならなかったのが勝因だろう。

今後も色々と注文はつくだろうが、条件がハマればまたいいレースを見せてくれるのではないだろうか。

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前半から速いペースで流れ、3角過ぎからもロングスパート合戦が繰り広げられるなど、目まぐるしい攻防となった小倉記念。ゴール前ではドラマが待っていた。単勝10番人気の伏兵アールスターが空いたインコースを突いて鮮やかに差し切り。鞍上の長岡禎仁は初めての重賞制覇となった。

若き苦労人である。

デビュー9年目の26歳。なかなか思うように勝ち星が挙がらない中、落馬負傷で長期離脱を余儀なくされるなど、早くから騎手として崖っぷちの立場に追い込まれた。しかし、美浦所属でありながら拠点を栗東に移し調教を手伝うなど地道な活動が目に留まり、徐々に騎乗馬も増えてきたところで運命の歯車が回り始める。

そう、ケイティブレイブのファブラリーS大激走である。

単勝16番人気と全くノーマークの立場での参戦。温情起用にしか見えなかった一戦で2着に突っ込んだのをキッカケに名前も一気に知れ渡るようになった。以後、かしわ記念でも再び2着と好走したり、JRAでも特別戦を制するなど着実に結果が残り始めたところで今度は重賞初制覇。

「待ちに待った」とか「悲願」とかいう表現も合わないほど、これまで重賞に参戦する機会すらなかったというのに、フェブラリーSからわずか半年、しかも重賞騎乗もそれ以来だというのにチャンスを活かしてしまうとは。

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近年は伏兵の活躍が目立つという話をしていたが、その中でも穴馬候補の一頭として挙げていたケンシンコウが逃げ切り波乱を巻き起こした。



一般的に穴を開ける馬というのは自分の形というものを持っており、それが展開やら馬場やらの要素とガチッと噛み合った時に激走するのがパターンのように思うのだが、ケンシンコウの場合は逃げ差し自在で意外性を発揮するようだ。単勝11番人気で迎えたユニコーンSでは後ろから差して3着に紛れ込み、今回は再内枠からの逃げ切り。半信半疑の7番人気という低評価もわからないではない。

これで世代を代表するダート馬の一頭として出世を果たしたことになるが、すでに1勝クラスで二度も完敗を喫しているように、決してエリート街道を歩んできたわけではない。だからこそ、どれだけの実力を秘めているのかまだ読み切れないのがこの馬の魅力でもある。

正直、個人的には古馬とぶつかって通用するとは思えない現状だが、それを覆すのが生粋の穴馬ケンシンコウのスタイルなのかもしれない。

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小回りの1700m戦、展開ひとつで着順がガラッと変わってしまいそうなメンバー構成だったが、終わってみればタイムフライヤーが人気に応えて完勝。外の好位で流れに乗り、自分の動きたいタイミングで動いての2馬身差は、どこにも付け入るスキを与えない内容だった。



昨年のエルムSで初めてダートを使われたからちょうど1年で、待望の初重賞。その過程には武蔵野S2着の惜敗や、フェブラリーS5着といった善戦もあったが、ようやくこの時を迎えることができた。
17年のホープフルSを制しクラシック候補と期待されたが、もともと血統的にはダートが本領発揮の場。芝で苦戦が続いたことでコンバートに踏み切ったが、これからも息の長い活躍が期待できそうだ。

ただ、意外なことにハーツクライ×ブライアンズタイムの配合ながら距離はマイルから1800mくらいの方がよさそうで。つい川崎記念とかでチャンスがありそうだとイメージしてしまうが、これまでの実績を考えると南部杯あたりが今後のメインターゲットになるかもしれない。

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クイーンSは予想された通り序盤から速めのペースで流れ、ゴール前は差し馬が台頭する展開に。外からはビーチサンバ、シャドウディーヴァが、内からはスカーレットカラーが迫る中、馬群の間を割って伸びてきたのが伏兵レッドアネモス。ここ数戦は重賞で苦戦が続いていた単勝11番人気の伏兵が、4,370円の好配当をもたらした。

2着ビーチサンバの福永祐一、3着スカーレットカラーの岩田康誠が「うまく乗れなかった」と4角でのコース取りを悔やんだのとは対象的に、ロスなく回って直線でもスムーズに進路を確保できたのが一番の勝因。鞍上の吉田隼人は先日の函館記念に続いて人気薄での重賞勝ちと勢いに乗っている。

ちなみに今週のエルムSではアディラートに騎乗予定らしいのでご注意を。

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無人の外ラチ沿いを、一直線に駆け抜けた。アイビスサマーダッシュを制したのは単勝2番人気のジョーカナチャン。このコースでは2勝を挙げている実績があるものの、ライオンボスには前走の韋駄天Sで斤量差4.5キロがありながらも敗戦。今回はその差も3キロまで詰まっていただけに逆転は簡単ではなかったが..抜群のスピードで「千直の王」を負かしてみせた。

テンからダッシュが抜群に冴えた。9番枠からのスタートだったが、瞬く間にハナを奪って外ラチ沿いを確保。恐らく同じポジションを狙っていたであろうライオンボスは一列後ろの位置に控える形となり、結果的にこれが勝敗を分けたように思う。

5歳夏での重賞初制覇となったが、キャリアはここまでわずか12戦。なかなか順調に使えてはこなかったが、無理をしなかったことで才能開花につながった。判断が難しいところだが、この類まれなるスピードはぜひしっかりと後継に伝えていってほしい思いもあるだけに引き際はどうするべきか。この秋と来春のG1に挑戦して繁殖入りくらいのタイミングがベストかと思うが..

余談ながらジョー冠名なので馬主はてっきり上田けい子さんかと思い込んでいたが、名義は上田江吏子さんだった。恐らく同族の方だとは思うが、勝負服もほぼ同じで気づかなかった。あの緑地に赤い丸模様のデザインはちょっと毒々しいといつも見ていて思う。

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函館記念のアドマイヤジャスタはまだわかるわ。2歳時から素質の高さは見せてたから。心身ともコンディションが整えばどうにかなるかもしれんと。問題は中京記念のメイケイダイハードですよ。ずっと2ケタ着順が続いていて、単勝シンガリ人気の低評価もやむなし。それが驚きの豪脚一閃ですからね。何が大激走のスイッチになったのか。なんちゃらショック理論で馬券を買う人からすれば、前走のダートが効いたのかもしれんが。

「軽ハンデの神」酒井学も、「大差のシンガリ負け」を心配していた中竹和也調教師もみんな驚きのコメントを残していたのが印象的。そりゃそうだ。

「誰より僕自身が一番驚いています」。超大穴を演出した酒井自身も信じられない様子。中竹師に至っては「なんで勝てたか分からない。パドックで精神的に不安定になっていたので、大差のしんがりかもと心配していた」と戦前は最下位すら覚悟していたという。

 しかし、レースでは抜群の手応えで直線を迎えると、しぶとく脚を伸ばして残り100メートルで先頭へ。「うなって行っていたから止まるだろう」という指揮官の予想をいい意味で裏切り、そのまま後続の追い上げを退けた。

■ 【中京記念】メイケイダイハード大金星!史上初18頭立て最低人気馬が重賞V - デイリー

先頭に躍り出てもなお信用してない中竹調教師w

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2歳時にはホープフルSで2着に入るなど、将来を期待されながら長いトンネルに迷い込んでしまったアドマイヤジャスタ。しかし、日本ダービーでは大幅に馬体を減らしての出走でシンガリ負けを喫すると、それが尾を引いたのか秋以降も大敗続き。どうも最近の須貝尚介厩舎はコンディション管理に問題があるように感じることが多いのだが、この馬の場合は特にその印象が強かった。
完全に「終わった」扱いされてもおかしくない状態。前走の鳴尾記念も6着とはいえ、勝ち馬からは1秒も離されての大敗だった。ところがこの函館記念で突然の復活。そりゃ単勝15番人気もやむなしですわ。
しかも内容も圧巻。速いペースを中団で待機し、4角手前から外を回って一気にスパート。早々に先頭に立つと、追い込んできたドゥオーモに1馬身半さをつける完勝だった。
決して馬場や展開に恵まれての勝利というわけではない。かつては世代のトップを争ったポテンシャルの持ち主だけに、素直に復調なったと捉えるべきでは。次は王道ローテなら札幌記念に向かいそうだが、仮にそうなったとしても侮れない。

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二冠牝馬デアリングタクトを筆頭に、3歳世代で旋風を巻き起こした「ビッグレッド軍団」の勢いは2歳世代も止まらない。開幕週でウインアグライアがブエナベントゥーラを破ったのを皮切りに続々と勝ち上がり。そして世代最初の重賞もマツリダゴッホ産駒のリンゴアメが制した。祭り恋しき夏にリンゴアメ躍動。
めちゃくちゃ結果論だが、新馬戦を逃げずに勝った馬が強い函館2歳Sのセオリー通り。しかし1000mでの勝ち上がりだったし、420kg程度の牝馬ゆえどうしても強くは推せなかった。ましてリンゴアメだし..

母マイネデセールの名前は覚えているが、成績を調べてみると2004年夏の函館でデビュー。キャリア6戦目でカンナSを勝つなど、当時のマイネル軍団の生き様を象徴するような活躍ぶりだった。なお以降は(ry

こうして繁殖牝馬としても早仕上がりの特徴をしっかりと引き継げているのは好材料だろう。

正直リンゴアメもこの先どこで出番があるかと言われると厳しい見方になってしまう。阪神ジュベナイルFの頃にはもう記念出走枠になってそうだが、それを覆すとすればビッグレッド軍の育成力。果たしてどんな未来を描くか。

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前残り決着が目立った先週とは打って変わって、荒れた芝コースを舞台に激しいマクリ合戦となった七夕賞。混戦を制したのは、昨年の福島記念の勝ち馬クレッシェンドラヴ。2週連続の重賞勝ちとなった内田博幸の好騎乗ぶりが光ったが、大外を回さず内をロスなくマクる進路取りは、あのゴールドシップの皐月賞を思い出すものだった。
近年はすっかり大舞台とは縁遠くなってしまったベテランだが、6月のエプソムCも含め最近は重賞固め打ち傾向にある。引き続き活躍が楽しみなサマーシリーズである。

ブラヴァスは正攻法の差しで2着と好走。残念ながら福永祐一の10場重賞制覇の記録達成はならなかったが、地力強化ぶりを印象づける一戦だった。この内容ならどこかでタイトルに手が届きそう。じっくり使ってきた厩舎のスタイル的にも、まだまだ余力を残してそう。
3着は福島巧者どころか「福島マニア」のヴァンケドミンゴ。狙いを定めての一戦だけに勝ちたかったことだろうが、馬券圏内を確保した恩恵を受けている人も多かろう。
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終わってみれば「格」がモノを言ったプロキオンSだった。レッドルゼル、サクセスエナジー、ラプタスとJRAでの重賞勝ち鞍を持たない上位人気馬を相手に貫禄を見せたのは、59kgを背負った歴戦の強豪サンライズノヴァ。久々の右回りに1400mと条件的にも楽ではなかったが、まるでそんなことは感じさせない完勝だった。
6歳だが老け込む様子は全くないし、秋には南部杯というドンピシャの舞台も待っているし、まだまだこれからが楽しみ。

「格」という意味ではJBCレディスクラシックの勝ち馬ヤマニンアンプリメも甘く見られたものだった。東京スプリントで大敗を喫して以来の実戦で、時計のかかる馬場の方がベターという判断も妥当だったと思う。それだけにこの力走には驚いた。この馬も交流重賞で稼げる馬だけに、コンディションを戻してきたのは陣営にとって大きい。


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最内枠から迷いなくハナに立つと、そのまま影をも踏ませぬ逃げ切り勝ちを収めた。福島→新潟とローカルで連勝し、初めて重賞の舞台に駒を進めた無名の実力馬バビットがラジオNIKKEI賞を5馬身差で圧勝。

思わぬワンサイドゲームにレース直後は唖然としてしまったが、これはなかなか強い勝ちっぷり。自分の形に持ち込めたのが大きかったとはいえ、逃げて最速の上がりをマーク。距離はどのへんまでカバーできるか未知数だが、今後も重賞戦線を賑わせてくれそうだ。ナカヤマフェスタ産駒というのも渋くてよい。

唯一、残念だったのは本来この馬に騎乗する予定だった団野大成が鞍上にいなかったこと。この日の7Rで落馬負傷し内田博幸に急遽スイッチ。前走もコンビを組んで勝ち鞍を挙げていただけに、無念の乗り替わりとなってしまった。CBC賞をラブカンプーで勝った斎藤新と同じく、期待が集まる2年目世代だけに一日も早く戻ってきてもらいたい。

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最近はその名を馬柱の中に見かける度に「もう引退させてやりなよ..」と哀れみの目で見てしまっていたラブカンプーが衝撃の復活劇を果たした。単勝9,310円、13番人気での鮮やかな逃げ切りだった。
自慢の好スタートで一瞬にしてハナを奪い切ると、そのままペースを落とすことなく前半3F33.5秒のハイラップを刻んでいく。後続馬群は恐らく完全にナメきっていたであろう、ノーマークのまま直線に向くとまだまだリードはたっぷり。こりゃこのままだと残られるぞと焦り出した頃には時すでに遅し。好位組はなし崩しに脚を使わされ、後方待機勢は届かないまま終わった。

しかし、こんなことがありますかねえ..

18年のスプリンターズS2着の実力馬も、以降は一度も馬券に絡まないどころかシンガリ負けを連発するなど完全にぶっ壊れてしまった。明らかに競走に対する意欲を失ってしまうような負け方で、何らかの形でメンタルが改善しないことにはどうしようもないと思っていたのだが..

こればかりは理屈では説明がつかないが、たまにはこういう人智を超えた事象が起きてしまうのも競馬の魅力であり難しさでもあり、ということにしておこう。

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それにしても宝塚記念はタフなレースだった。バラバラにちぎれまくっての入線は各自が余力を残すことなく走り切った証で、まだ馬場の整理が行き届いていなかった90年代前半を思い出させるものだった。メジロマックイーンが無双してそうな舞台。

そんな中で健闘を見せたのがモズベッロ。勝ち馬から1.8秒差をつけられての3着というのもなかなかお目にかかれないだろうが、単勝12番人気の伏兵が波乱劇の一角を担った。
重馬場での勝ち鞍があるとはいえ条件戦でのもの。父ディープブリランテも道悪は苦にしないタイプではあったが..一線級相手の好走経験がなく、軽視されるのも仕方がないだろう。
日本ダービーでのヴェルトライゼンデといい、池添謙一は拾いにくいのを3着に持ってくる。これだから3連系の馬券はよう買わん。

それから4角後方から追い込んで5着に飛び込んだのがメイショウテンゲン。さすがの重馬場巧者、荒波をかき分けるかのような末脚だった。先週は新馬のメイショウイチヒメを含めやたらとメイショウさんの馬が頑張っていた印象だが、その大将格も大舞台で見せ場を作った。

ラッキーライラックは懸命にマクリ合戦に食らいついていったものの、早くからムチが入っていたように追走に苦労していた様子。直線入り口で脱落してしまった。血統だけを判断材料に、馬場適性が先入観で語られてしまっていたように思う。
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単勝2.4倍の1番人気に支持されたサートゥルナーリアは4着に敗れた。個人的にはちょっと条件が合わないのではという話をしていたので敗戦自体は特に驚くものではなかったが、さすがに勝ち馬から2秒以上もちぎられての完敗は少し残念ではある。

内枠がアダになった。道中もずっと馬場の悪いインコースを通らされ、心身とも厳しいレースになったのは間違いないが、それにしても苦しい競馬になってしまった。どうにか外に持ち出して追撃体勢に入るも、前との差は詰められず。無敗で皐月賞を制し、新ヒーロー誕生を予感させたあの威光は完全に失せてしまった。現状では神戸新聞杯や金鯱賞のように、スローペースのヨーイドンでのみ圧倒的な性能を見せつけられるというのがこの馬の位置づけなのかもしれない。

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驚異的なパフォーマンスを見せたクロノジェネシスには歯が立たなかったものの、メンタル崩壊状態が続いていたキセキにとっては希望をつなぐ2着だった。パドックの周回を見ていても何だか気配が良かったし、もしかしたら心配事が解決したのかもしれない。彼女と仲直りしたとか。これならまた秋のG1戦線のどこかでという期待も持てる。

それにしても武豊のエスコートが抜群だった。

てっきり先行すると思い込んでいたが、後方からじっくりと流れに乗る形。天皇賞よりゲートの出は悪かったが、それが奏功したように映るし、もしかしたら折り合いを考慮した意図的にゆっくり出したのかもしれない。3角過ぎから進出を開始する勝ち馬にくっついていく形でポジションを押し上げ、その勢いで外から末脚を伸ばした。序盤に余計な力を使わなければ、これくらいの脚は使える。まして渋った馬場は菊花賞を制した舞台。

テン乗りの天皇賞では制御しきれなかったが、一度コンビを組んだことでわかったことがたくさんあったのだろう。途中から暴走してしまった前走とはまるで違う内容だった。これぞ名手の実力。代打で神がかり的な騎乗を見せるより、継続してコンビを組むことで呼吸を合わせていくのが近年のユタカ流といえるのではないだろうか。
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宝塚記念の馬体重が発表された瞬間、少し前に読んだ「近年のノーザンファーム産の牝馬の多くが、馬体重を大きく増やしながら本格化を果たしてきた」という話を思い出した。


「16番 クロノジェネシス 464kg +10」

ああ、これは間違いなく覚醒の証。この数字を見た瞬間に勝利の可能性はかなり高くなったという確信があった。パドックの映像を見ても太め感は全くない。本格化を告げるボリュームアップだ。

そして歴史は繰り返された。昨年のリスグラシューに続く牝馬による宝塚記念制覇。高速馬場の瞬発力勝負のみならず、パワーを要する馬場でも牡馬を圧倒する時代が訪れた。しかも驚異の6馬身差圧勝。同じく昨年の有馬記念でリスグラシューが5馬身差をつける出色のパフォーマンスを見せたが、それを思い出させるワンサイドゲーム。馬場が向いたとか、枠順に恵まれたとか、色々とアシストとなる要素もあったとはいえ、それでもこの勝ちっぷりはケチをつけるようなものではない。本当にとんでもない強さだった。
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いやあ、完勝でしたねダイアトニック。非の打ちどころがなかった。好発を決めて、逃げを主張するダイメイフジを行かせるとそのままガッチリ2番手をキープ。直線半ばで前を捕らえると、そのまま後続を突き放して2馬身差をつけてのゴール。何度レースをやり直しても勝てそうな危なげない内容。しかも58kgを背負ってのものだけに、終わってみれば力が違ったとしか言いようがない。

このところ重賞で出番がなかった武豊にとっては毎日杯以来の重賞勝ち。今週は土日メイン勝ちに加えモンファボリで新馬戦も勝つなど、質量とも納得の一週間だったのでは。

ところで武豊×シルクレーシングのタッグで重賞を勝ったのは初めてだという。確かに近年のノーザンファーム御用達の若手厩舎&外国人騎手フル稼働で勝ちまくるスタイルとは相容れないイメージがあり、最近でもせいぜいラウダシオンで何度か好走する例があった程度。それだけに今回ダイアトニックとの新コンビ結成と聞いた際にも少し違和感があったし、どうせ秋はまた誰か短期免許マンを乗せてるんじゃないのと邪推もしてしまったり。

ちなみに旧シルク冠時代にも重賞勝ちはなかったという。もっともシルクレーシングの通算重賞勝利数「62」のうち冠名ありでの勝利が「16」しかないので仕方ないっちゃあ仕方ないけど。シルクジャスティスには若草Sで騎乗し勝ったが、京都4歳特別ではプレミアムサンダーに乗っていたというのがニアミス案件。シルクライトニングの菊花賞とかもあったなーw
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ユニコーンSはカフェファラオの圧勝に終わった。大外枠が当たった時点で、揉まれたり砂を被ったりというリスクはほぼ解消されたわけだから、これは必然の勝利。単勝200円は好配当でさえあると思う。
これまでの2戦のパフォーマンスがズバ抜けていただけに5馬身差にも驚きはさほどないが、強いて言うならテンから行き脚がついてあっさり好位を取り切れたのは意外だった。もう少し序盤はモタつくかと思いきや。それも大外枠の恩恵はあったと思うが、これだけ無難な立ち回りができるのなら今後もより盤石の存在になれる。

心配なのはアクシデントだけ。

つい2年前の勝ち馬ルヴァンスレーヴを重ね合わせながら見てしまうが、3歳秋に南部杯とチャンピオンズCを制したダートの天才も、その後は長期休養を強いられ今年ようやく復帰。かしわ記念では大きく離されての5着に終わり、復活への険しい道のりを歩み続けている。どうかこの馬は古馬になっても無事でいてほしい。そうすればきっと多くの名勝負が見られるはずだから。

取り急ぎ次はどこを使うのだろう。きょう発表されたジャパンダートダービーの出走予定馬には名前があったけど、本当に出るんだろうか。いかにも休みそうなキャラだけにw
もし使うとしたら鞍上もどうなることやら。もうダミアン・レーンの短期免許期間は終わってますよね。ミルコに戻そうにもデュードヴァンも出るみたいだし..

そのへん考えるとパスしそうな気もするんよなあ。
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間違いなく、マーメイドSを盛り上げたのはナルハヤと藤田菜七子だった。準OPでもそこそこ戦える脚力の主なら牝馬限定ハンデG3なら勝機十分、ハンデも51kgに決まってあとは先行粘り込みにかける..直線半ばで惜しくも捕らえられたが、誰しもが納得のレースだったのではないだろうか。

正直、「逃げ宣言」のようなコメントが出た時は、枠順も出てないしオスカールビーもいるし大丈夫?なんて心配したもんだが、テンからモタモタしている同型を尻目にあっという間にハナを奪い切ったあたりに成長を感じたし、少なくともデビュー間もないルーキーとはちょっと格が違うとさえ思わしめた。「有限実行」カッコいい。
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「若手の軽量馬か、ベテランの実績馬か」をテーマに展望エントリを書いたものの、待ち受けていたのは「ベテランの軽量馬」による勝利だった。サマーセント50kg、鞍上は酒井学。
何となく予感はあったけれど、軽ハンデの神である。軽量の酒井学を見つけたら、とりあえず買っておいて損はないレベル。長身の騎手も増えてきた中で154cm、48kgの小柄な体躯が大きな武器になっている。
それにしても味わい深いジョッキーである。池添謙一・太宰啓介らと同年にデビューし、キャリアのスタートこそは順調だったものの「崖っぷち」の立場も経験。その後、少しずつ盛り返しニホンピロアワーズのジャパンCダートでG1初制覇。短距離戦線ではハクサンムーンと出会い、さらにはトーホウジャッカルで菊花賞も制し、大舞台でも気後れすることのない経験値を積み重ねてきた。それ以降は爆発的に勝ち星を増やすわけではないが、コンスタントに勝ち星を挙げ続けている。それだけの腕達者が50kgのハンデで乗ってくれるのだから、関係者からすればありがたすぎる話。
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いち早く馬場の傾向をつかんでいたのか、日曜午後のダミアン・レーンは他の騎手が外へと持ち出す中、あえて内を突く騎乗を続けていた。実際、10R芦ノ湖特別ではサトノフウジンを勝利に導き、こりゃサトノアーサーも同じように差し切るんちゃうかと思っていたら..

メインのエプソムCだけみんな外を回さないというw

それまで5頭分くらい内を空けて通っていたのに、急にびっしりタイトに回ってくるという。遅ればせながら馬場の傾向に気づいたのか、それとも重賞だけみんな本気を出して乗っているのか。レーンのそれまでの騎乗でみんなが気付いたのだとすれば、ちょっと手の内を明かしすぎたかも。
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言われてみれば納得である。エプソムCのダイワキャグニーは単勝9番人気の低評価を覆しての勝利だったが、雨の府中といえば昨年のジャパンCで見せ場十分の粘りを見せていたではないか。実績ある中距離でG3となれば、これくらい走れて当然と言ってもいい。今なら。

日本ダービートライアルのプリンシパルSを含め、これまでOP特別・リステッドを5勝してきたが(全て東京で)、6歳にして待望の重賞初制覇。さらに上のレベルを求めるのは現実的には厳しいかもしれないが、馬場が悪くなるようならあるいは..今年秋の天皇賞・ジャパンCでも存在感を発揮するかもしれん。
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ネタが満載すぎて処理に困る鳴尾記念である。

昨年春の天皇賞3着以来、長く休んでいたパフォーマプロミスがいきなり復活の勝利。終わってみればこのメンバーでは実力上位だったねと言いたくなるが、やはりブランクは気になるもの。単勝10番人気の低評価も仕方がないものだった。オークス馬を負かしての勝利というのも価値があるし、8歳でもまだまだ活躍の場はありそうだ。

ラヴズオンリーユーはまだ本来のデキにひと息といったところか。期待の大きい馬だけにできれば勝ち切りたかったところだが、秋の反撃に向けて最低限のレースはできたか。

この2頭のハナ差の勝負は見応えがあった。

しかしそれ以上に見る者を熱くしたのがサイモンラムセスの4着激走ではなかったか。10歳馬のラストランとして少し前から話題になっていたが、近走の成績を見れば単勝606.8倍の超低評価も妥当オブ妥当。にもかかわらず、道中シンガリ待機から思い切ってインを突くと、ジワジワと脚を伸ばし堂々の掲示板確保である。前の3頭からは少し離されたものの、ゴール前のカメラにもチラッと映り込む力走だった。

こういう人智を超えた何かがたまに起こるから競馬はおもしろい。

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ノームコア、魂の追い込みは惜しくも(3着に)届かず..

最後の一完歩まで横山典弘はムチを入れ懸命に追ったが、惜しくもインディチャンプに先着することはできなかった。しかし最初から直線勝負と腹をくくり、3〜4角までは外に出さずインで我慢を続けた騎乗は百点満点。それに応えて強烈な末脚を繰り出したノームコア自身も全力を出し切ったと言えるだろう。
改めて東京1600mとの相性の良さを示した一戦。恐らく秋も富士Sに全力投球でその後どこを使うかはじっくり考えるスタイルでいくことだろうw

レース前のエントリで「買うならアーモンドアイとの2頭軸なんていかが」なんて話をしてたけど、もし実際に買ってたらダメージ大きすぎてしばらく死んでたと思う。ノームコアも頑張ってくれたし、「買えばよかった」なんて不毛な後悔にさいなまれなかったし、精神衛生的には最善の結果だったと言える。

頑張ったといえば5着のケイアイノーテックもしかり。あんな早いタイミングから大外をブン回すヤケクソみたいなスパート、早々に止まると思ったらゴール前までじわじわと脚を伸ばし続けた。これは脚の使いどころどうこうではなく、ああいう乗り方がハマったんでしょうきっと。津村明秀もベストの騎乗ができたのでは。
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これが「八冠」への壁というものか..歴代の名馬たちが築いた栄光をアーモンドアイが超えていくものだとほぼ確信していたが、グランアレグリアに完敗を喫する形で記録更新はお預けとなった。

前日の雨の影響が残った馬場、やや後手を踏んだスタート..決定的なダメージにはならなかったかもしれないが、色々な要素が少しずつ積み重なり、敗因となってしまった印象。道中ルメールが少し促し加減に見えたように、追走にも余裕がなかったし、末脚も本来の脚勢には程遠いもの。それでもどうにか追い上げて2着を確保したのはせめてもの意地だったか。

確か一週前の追い切りをしなかったんでしたっけ。中2週というこの馬にとっては異例のローテを克服するための策が裏目に出たようにも思うし、「安田記念のためにヴィクトリアマイルは流して勝った」というようなルメールの不必要な発言も今から思えばフラグだったのかもしれない。どこかナメてかかっていたような印象が、敗れたことで余計に色濃くなってしまった感。
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圧倒的なパフォーマンスでアーモンドアイ以下を完封したグランアレグリア。もちろん持っているポテンシャルから考えれば、あれだけの芸当をやってのけても不思議ではないのだが、個人的にはスプリンターとして覚醒を遂げつつあるのではないかと見ていただけに、桜花賞以来のG1タイトルがこの府中のマイル戦でもたらされるとは意外だった。

とにかくインパクトが強かったのが昨年の阪神Cで、休み明けながら番手を楽に追走し、馬なりで後続をぶっちぎった走りが強烈すぎた。あのレースを見た直後の感想が「香港スプリント勝てる」だったことも未だに覚えている。ただ、あれだけスピードを前面に押し出した競馬をし始めると、再び距離を延ばしていくのはちょっと難しいのではないかという懸念があった。休み明けの高松宮記念で凄まじい末脚で2着(3位入線)に追い込んだのも納得で、逆にヴィクトリアマイルや安田記念に向かうようだと気性的に抑えが利くのだろうかと..

しかし、そんな心配をよそにレース内容は抜群そのものであった。
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皐月賞でマッチレースを演じたサリオスですら、影も踏めないほどの圧勝。
◎コントレイル、これほどまでに強いとは。
先行きが見えない前代未聞の社会情勢において、
多くの人の注目を集め、勇気を与えてくれる存在が舞い降りたことに感謝したい。

しかし、この空虚さは何だろう。

あまりにも最後の直線の攻防が迫力に欠けた。
道中のスローペースで各馬ともにまだ余力があったであろうにもかかわらず、
存在感を発揮できた馬が殆どいなかったことがどうにも残念。
先行して粘り腰を見せる馬もいないし、
勝ち馬が追い出しを待っている間に一瞬でも並びかけようとする馬もいない。
サリオスも一発逆転の決め打ちではなく、
あくまで枠なり出たなりのスタンダードな競馬に終始した。

コントレイルとてまだまだ遊び半分で走っているせいか、
同じぶっちぎりでもナリタブライアンやディープインパクトのような豪快さが感じられなかった。
どちらかといえば東スポ杯2歳Sの方が伝わるエネルギーは大きく感じたほどだし、
レース内容も色々な困難を乗り越えながら制した皐月賞の方が高く評価できる。

呆気なさすら漂わせながらの二冠達成、
それがこの馬の尋常ならぬポテンシャルを示す事実ということだろうか。
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決して楽な勝ち方ではなかった。
道中は中団インに押しやられ、ペースも前半は速く途中から遅くなる変則ラップ。
直線では進路を探し出すのにも手間取った。
馬場は圧倒的に先行有利、巧みな立ち回りでウインマリリンが押し切りを狙う。
それでもゴール前しっかり差し切るのだから、
余計に◯デアリングタクトの強さが際立った。

人馬ともに「あっぱれ」である。

パドックから闘志を前面に押し出すなど、
精神面はギリギリの状態に映ったが、それでもどうにか己との勝負にも勝った。
秋もまた厳しいマークに遭うことは確実だが、
この重圧を押しのけた経験が彼女自身を力強く支えてくれることだろう。

この苦しい戦いを制した松山弘平も、また大きな財産を得た。
個人的には「競馬学校卒の一流ジョッキーを!」とかねてより言い続けてきており、
ようやくまた一人その成功ルートに乗ったように思いとても喜んでいる。
4月末の落馬負傷が影を落とすことにならず本当によかった。

ちょうど新馬戦が始まる時期でもあり、
これからさらにジョッキーとしてのキャリアを高める出会いが待っていること必至。
スパイラルに乗った今、どれだけ登り詰めていけるか今後も注目していきたい。
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特に何も言うことないわw
◎アーモンドアイまだまだ強し。普通にレースさえできればこれくらいの圧勝になるのは当然。
ドバイミーティング中止で狂いそうになった歯車が再び噛み合ったことで、
次は歴代の名馬たちをも超える「八冠」を目指すことに。
早ければ安田記念、あるいは秋に挑戦することになるだろうが、
どこかのタイミングで記録が更新されるのは間違いなさそう。

個人的にはもう十分すぎるほどの記録を残してきたとので、
無事にお母さんになれればそれでよいのではと思ってます。
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毎年のことだが、どうにもつかみどころのない感覚が残るレースになった。

重賞・OP特別での好走歴は十分ながら、
距離延長が嫌われ人気を落としていたラウダシオンが番手から押し切っての勝利。
番狂わせの決着にはなったのだが、
2着には1番人気だったレシステンシア、
そしてアーリントンC2着から臨んだギルデッドミラーが3着に入り、
以後もタイセイビジョン、ルフトシュトロームと上位人気だった馬が順に入線。
それぞれがそれなりに力を出し切りながらも、その上を行く馬が潜んでいたという、
いかにも混迷マイル路線を象徴するような結果に。

馬券的にも本命決着でもなければ大波乱でもなく、
非常に狙いを定めづらい荒れ加減だったのでは。
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フィエールマンにとって不運なのは、これといったライバルに恵まれないことだろうか。
ハナ差の接戦で天皇賞連覇の快挙を達成しても、どうにも伝わってくるものがない。
もう少し強い相手や、因縁の対決を制してのものならばまだしも..

原因は自身にもあるのかもしれない。
何しろ型破りなローテでG1を狙い澄ましにいく現代流スタイルの象徴的存在だから、
伏線の張り方も難しいのかもしれない。サッと出てきてサッと勝ってサッと休むのくり返し。
また、菊花賞と天皇賞以外で国内のG1に出たのが、
昨年暮れの有馬記念だけというのでは、
得意なカテゴリで相手にも恵まれるところを狙い撃ちしているだけとの見方をされてもやむなし。

だからというわけではないだろうが、次は宝塚記念に参戦予定。
てっきり「使うとガクッと来る馬、暑い時期も避けたいので〜」みたいな話で回避するかと思ったけど、
どうやら中距離が得意なメンバーとG1での直接対決を選んだようだ。
まだ油断はできんけどw

サートゥルナーリアとルメールがかち合う問題など、色々まだ整理すべき点もありそうだが、
たとえ結果がどうあっても己の存在価値を高める一戦になるのは間違いない。

それに阪神2200mって合いそうだし。
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春の豪雨から一晩が経ち、明るい日差しに包まれた無人の中山競馬場。
それでもタフなコンディションに変わりはなく、皐月賞も「稍重」発表のもとで行われた。
序盤から平均ペースでレースは流れ、先行勢の脚色が鈍り始めた3角過ぎから、
一気に外を悠々と進出していったのが「漆黒の飛行機雲」。
ディープインパクトの遺児コントレイルが、父の跡を追うように無敗でクラシック第一関門を突破した。

本物が翔び立つ瞬間を見た。

決して得意な条件ではなかったと思う。
東スポ杯2歳Sのパフォーマンスが圧巻だったように、
高速馬場で序盤ゆったり入れる展開が最も本領を発揮できる舞台。
しかし本当に強い馬は、不向きな条件でこそ真価を発揮する。
最内枠からのスタート。
これまで以上に後方からの位置取りとなったが、慌てず騒がずの大外一気で後続の追撃を許さなかった。

先を見据える上では、必要以上の前向きさが解消されつつあるのも大きな収穫。
特にこれから距離を延ばしていく上で、こういう勝ち方ができたことにも価値がある。
よほどのことがない限りは日本ダービーも持っていく可能性が高い。

それこそ無事に開催さえされれば..
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後出しで恐縮ですけど桜花賞の馬券を取っちゃいました。
買うつもりは本当になかったんですけど、
当日いつも競馬を一緒に見ている仲間とオンライン観戦会をすることになり、
じゃあせっかくだからと衝動買いしたら運よく的中。
レシステンシアからパラパラと買ってたのですが、
本線だったデアリングタクトと見事にワンツー。

200412_HSN11A
200412_HSN11B
200412_HSN11C


実は今年はここまで一度も公式戦の馬券を買っておらず、
一体いつ開幕するのかと自分もわからなくなっていたところでのロケットスタート。
これであと何回かは外れてもOK。

久々に味わった的中の快感は何物にも代えがたいものがありました。
そうだよね、これが競馬の醍醐味だよね。
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さすが笑いの本場・大阪杯である。定番ネタで盛り上がった。
G1で詰めの甘さを露呈するダノックス軍のダノンキングリーは安定の3着。
しかも想定外の逃げに出てしまうというオマケ付き。
ブラストワンピースの川田将雅は普通に乗っているのに人気を裏切り、
ワグネリアンの福永祐一は3角から内を通ったままで窮屈な競馬を強いられる..

それぞれが持ちネタを思う存分に披露した。

そんな中、ラッキーライラックとクロノジェネシスの牝馬2頭がワンツーを決めたのは納得の結果。
ラッキーライラックは先行する2頭から離れて好位を追走する理想的な形。
直線では少し追い出しを待たされたが、
ジナンボーが失速してできたスペースを慌てず騒がず活かして決め脚を見事に発揮した。
一時期は結果が出ず迷走気味な時期もあったが、
昨秋のエリザベス女王杯で復活を果たして以降は、
国内外のG1で牡馬とも戦いながら結果を残し続けている。

アーモンドアイとの出会いで歯車が狂ったものの、
元々これだけやれるだけの才能とカリスマ性を持っていたのだ。
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まずはクリノガウディーの降着が残念で仕方がない。
アベレージは低くても、たまにキバを剥くと恐ろしい強さを見せる厄介なキャラだけに、
単勝15番人気でのG1初勝利となれば、いかにも彼らしかったのに。
ハナ差の入線だったが、あれだけヨレなければもっと楽に勝てたのでは。
と同時にVTRを見直すまでもなくこれはアウトだと確信させるだけの斜行でもあった。
和田竜二も痛恨。もしミッキーロケットで勝ってなかったらもっとヤイヤイ言われてたやろな。

その恩恵もあって繰り上がり優勝となったのがモズスーパーフレア
正直、中京は鬼門かと思ってたのでこの粘り腰にはびっくり。
どうやら昨年は調整失敗が響いてたらしい。
そして松若風馬のG1初優勝がうれしい。(24)でたどり着けたら上出来でしょう今の時代。
20代前半で勝てたの、それこそ近年じゃ川田・浜中の黄金コンビくらいでは。
どうせなら1位入線で勝ちたかったとは思うが、
着差も着差だし胸を張ってもらっていいんじゃないですかね。
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根岸Sが完勝だったとはいえ、まだダート2戦目。
相手も強くなればペースも変わり、受けるプレッシャーも変わってくる。
単純なダート適性だけを評価するのは早計..と半信半疑で見ていたら、
まあ心配は杞憂に終わりましたね。

強かった、モズアスコット

懸念材料だったスタートを五分に出ると、中団を余裕たっぷりに追走。
位置取りも、キックバックを避けるようなことはなく4角もインを回ってきた。
直線でゴーサインが出されると、あとはご覧の通り。
チグハグなレースであっさりギブアップしたインティとは実に対象的に、
後続を置き去りにする末脚で新ダート王誕生のゴールに飛び込んだ。

6歳での覚醒がもったいないくらいのパフォーマンス。

いくらダート路線はエイジレスとはいえ、
この馬にはフランケルの血を日本でつなぐという使命が課せられている。
それだけにいつまでも現役で稼ぎ続けるというわけにもいかず、
然るべきタイミングで種牡馬入りさせなければならない。

次は4月に豪州のドンカスターマイルを使うとのプランが発表されているが、
その後の流れはどうなるか。
恐らく今年いっぱいで現役生活にはピリオドを打たれることになるだろうし、
それまでにどれだけ己の価値の高さを証明できるか。
南半球からも需要はあるだろうし、その地で存在感を示しておくことも重要。


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ハートレーが、グレイルが沈んだ府中の直線で、
マイラプソディも同じ目に遭うとは..
あれだけ戦前に不安視していただけに「まさか」とは思わないが、
ピカピカのクラシック候補性が何もできず終わるのを見ると、
共同通信杯の恐ろしさを痛感させられる。

「やはり」の悪夢だった。

正直、あの超スローペースを武豊がのんびり後ろで構えているのを見た時点で、
ちょっと察するものがあったよね。
案の定、4角も大外ブン回し。
この「過信」が一番の難敵である。
ロスなく立ち回った先行勢が余力を残しているのは当然。
それを差し切ろうと思うと相当な脚を使わなければならないのだが、
先を見据えた余裕仕上げではそれもムリ。

こうして見事に負けパターンにハマってしまったのでした。



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府中の超高速馬場に続き、
パワーを要する年末の中山でも力の違いを見せつけたコントレイル
距離延長にもソツなく対応したことで、
皐月賞の有力候補として2020年の春を迎えることができそうだ。

唯一の不安材料は気性に尽きる。
陣営も日頃から気にはかけているようだが、
このレースでも前進気勢が強く福永騎手の手綱はガッシリ抑えられての追走。
もう少しゆとりが出てこないと、
2000mはともかく日本ダービーでは危うい予感が。
できれば春のレース内容でその成長ぶりを確認したいところだが、
どうやら次はぶっつけで皐月賞ということになりそう。悩む。

それにしても、現時点での強力な相手が集まったはずの一戦ながら、
冷や汗ひとつかく場面すらない楽勝だった。
残り200mで逃げるパンサラッサを捕らえると、
ヴェルトライゼンデ以下は並ぶチャンスすらなくあっという間に突き離された。

サリオスやマイラプソディとは皐月賞で初対決ということになりそうだが、
それぞれ無事に駒を進められればいいライバル関係を築けるのでは。

それでも僕はマイラプソディ派だけどな!w
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色々な面で「ホッとした」という印象が強い有馬記念だった。
じっくりと安堵感に包まれながら、レースを振り返っていきたい。

まずはアーモンドアイについて。
さすがにこの条件をもクリアできるチートな存在ではなかったということで、
どこか牝馬らしい弱さを見せてくれたことにホッとした。

決して中山がNGというわけではない。2500mが長いということもない。
冬場の荒れた馬場だって克服できる素地はある。
ただ、これだけのハイペースに付き合わされて、
なおかつ全ての懸念条件と向き合えというのはさすがに酷だった。
一気に脆さが顔を覗かせたといった感じで、あえなく馬群へと消えた。

個人的には勝ち切れるかどうかまでは微妙でも、
まず間違いなく3着を外すことはないだろうと思っていただけに、
ここまで派手に負けたのは意外だった。

この敗戦で逆に凄いと感じさせられたのが、ノーザンファームの見極め力。
香港Cを回避したことでやむなく出走に踏み切ったわけだが、
当初は有馬記念は選択肢にも入っていなかったわけだから。
「言わんこっちゃない」というのが本音だろう。
これほどまでの消耗戦になると耐えきれないということで、
回避が惜しまれた凱旋門賞への適性も乏しいことが判明したのは皮肉な話である。

ただ、この参戦がアーモンドアイの価値を貶めたわけではなく、
むしろ得意条件だけに拘らず、
女王にありながら「挑戦」の道を選んだことは称えられて然るべきもの。

かつての有馬記念のように、
スターホースが出てきてくれたというのも、ホッとさせられる一つの要素だった。
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ジャスタウェイやリスグラシューの例を持ち出すまでもなく、
歳を重ねて爆発的に強くなるのが超一流のハーツクライ産駒のパターン。
それゆえ若駒の段階では「まだ緩い」と未完成ぶりを強調するコメントも多く聞かれるのだが、
サリオスを筆頭に今年の2歳勢は早い時期から取りこぼしを許さない。

先月のラジオNIKKEI杯京都2歳Sでデビューから3連勝を果たしたマイラプソディ、
それから年末のホープフルSに照準を合わせているワーケア、
牝馬でも阪神JFで上位を争ったクラヴァシュドールやウーマンズハートらが、
遅咲きの血統を言い訳にすることなくすでにエンジン全開。

長年サイアーランキングで上位に君臨してきた、
ディープインパクトとキングカメハメハがこの世を去った2019年。
偶然だとは思うが、ハーツクライ産駒のイメージがガラリと変わったことで、
種牡馬の争いも新時代を迎えることになるのかもしれない。
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阪神ジュベナイルFは二つの驚きが待っていた。
まずはリアアメリアまさかの凡走。
もちろん2歳戦のことだから、
勝手に神童扱いされてたのが期待外れに終わるケースもあるけれど、
とはいえノーザンファームの正統派ヒロイン候補だけに、
半ば予定調和的に勝つんじゃないかと思い込んでいた。

そしたら負けるどころか掲示板にすら間に合わないなんて。

これまでの2戦とはまるで違うペースに翻弄され末脚を失ったのが最大の敗因だろう。
川田騎手も気性面の課題を頭に入れながら、
あくまでソフトな乗り方を意識していたようにも映る。
問題はこの敗戦を糧とできるか。
ポテンシャル的には十分に足りそうだが、ちょっと扱いが難しそうなだけに。
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ひと晩が経っても、まだそのインパクトは冷めない。
無敗でダートの頂点を極めたクリソベリル
初めての一線級との対戦も、問題なくクリアしてみせた。
さらに秀逸なのは、
ゴールドドリームやインティ、チュウワウィザードといった古馬の上位勢が、
揃って能力を出し切る競馬をした上で、さらにそれを負かしたということ。
ライバルの自滅によって転がり込んできた勝利ではない。この価値は大きい。

ゴール前で二枚看板の間をぶち破ったの、めちゃくちゃカッコよかったし。

すでに報じられている通り、来年は海外遠征が自ずと視野に入ってくることに。
ダート馬の挑戦の難しさは今に始まったことではないが、
一気に時代を塗り替えたこの馬に新たな夢を託したくなる。
まずは無事に事が進むのを願って。

それから中央G1で惜敗が続いていた川田騎手もようやく今季初タイトル。
散々ネタにされてきただけに、ここで終止符を打ててよかったw
今週の阪神ジュベナイルFも超有力馬リアアメリアとのコンビで連勝ありそう。
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