今季は自分史上でも最大級にPOGを楽しむシーズンになっている。真剣にドラフトも検討したし、夏から新馬戦を中心にその戦いの行方も追い続けてきた。いよいよ今週から2歳G1が始まるということもあって、ひとつの集大成を迎えようというタイミングでここまでを振り返るとともに、来春のクラシックで主役の座に躍り出るのは誰かという話をしていきたい。阪神JFやホープフルSが終わるとまあまあネタバレ感あるからね、今のうちに。

2回に分けての配信としたいので、まずは牝馬編から。



まずここまでの2歳牝馬路線を簡単に振り返ってみたい。何といってもここまでをリードしてきたのが白毛一族のソダシとメイケイエール。それぞれデビューから無傷の3連勝、しかも重賞2勝と中身も濃い。もともとダートで強い馬を輩出してきた血統だが、いよいよ芝でもその才能を開花させつつある。
一方、POGドラフト段階で評価が高かった馬は少し苦戦が目立つ。中でもその筆頭格と言えるのがトレデマンド。アルジャンナの全妹として注目を集めていたのだが、フタを開けてみればデビューから2戦して完敗続き。勝ち上がりも危うい状況に追いやられている。他にも、夏の阪神で印象的な勝ち方を見せたダノンシュネラが伸び悩み、フォティノースが萩Sで大逸走してしまうなど、期待馬の足踏みが続いている。

そんな中、桜花賞・オークスで有力視できる5頭をピックアップした。

<5位:アカイトリノムスメ>
【概要】ご存知、三冠牝馬アパパネの娘。デビュー戦は7着と大敗を喫したが2戦目でガラリ一変。続く赤松賞もスローペースを楽々と差し切り、着実に力をつけているところをアピールした。
同厩舎・同馬主から有力馬が出走することもあり、阪神JFは早々に回避が決定。次走はクイーンCあたりかな?と思っていたが12月になっても在厩で調整中とのこと。となればフェアリーSかシンザン記念がターゲットになってきそうだ。
【寸評】上の3頭がイマイチ期待はずれで、POG検討期間もさほど評価はできず。新馬戦大敗を見て「そらそうよ」と思っていただけに、ここからの巻き返しはお見事としか。兄にはなかった切れ味があり、距離に融通が利きそうなのも好印象。桜花賞のみならずオークスでも上位をうかがえそう。突き抜けるまでのインパクトは現状ないが。

<4位:ソダシ>
【概要】この世代の牝馬戦線を引っ張る象徴的存在。白毛馬として初めての芝重賞を制し、次のターゲットはもちろん初のG1。
最大の武器はソツなく立ち回れるセンス。特にアルテミスSではスローペースをサッと抜け出し速い上がりにも対応できるところを見せたのが大きい。血統的にいかにも洋芝専用感があっただけにね。恐らく阪神JFでも人気を背負うのは確実。このまま主役路線まっしぐらといくか。
【寸評】「えっ、もうソダシ?」と思われたかもしれんけど、もうソダシです。この手のタイプはどうしてもG1だとひと押しが足りない。もしかしたら阪神JFは展開や馬場が向けば勝てるかもしれないけど、桜花賞・オークスでは3〜5着あたりに甘んじてる予感しかしない。ビーチサンバのちょっと強い版、みたいな。

<3位:スノークォーツ>
【概要】この夏、雨で荒れ果てた馬場を味方に勝ち上がり馬が続出したゴールドシップ産駒から、東京2000mをキレッキレの末脚で差し切る異端児が誕生。33.3秒を使って差し切れるなんてね。前走後はまだ放牧に出ているようで、距離適性的にも恐らくオークスを標的にじっくり仕上げていくことになるだろう。
【寸評】これは客観的な気持ちが半分、私情が半分。ゴールドシップ産駒からこんな馬が出てくるなんてといううれしさ、ぜひとも出世してほしいという願いが強い。と言いつつオークスが普通に狙えそう。昨年デアリングタクトを輩出したノルマンディーさんの勢いにもあやかりたい。

<2位:レフトゥバーズ>
【概要】彗星のごとく現れた、という表現も決して大げさではないだろう。11月21日、東京の芝1600m戦でデビューを果たすと、出走メンバー中ダントツの上がり3F33.4秒の末脚で3馬身半差の圧勝を収めた。netkeibaの掲示板で「くりげ君」(恐らくオーナーさん)が、次はクイーンCを本線に、除外があるなら共同通信杯も考えてるとコメント。これは目が離せませんね。
【寸評】さすがはディープインパクト産駒、と言わずにはいられない切れ味。まだ牝馬路線が混沌としている状況だけに、一気に突き抜けてしまうポテンシャルを感じる。唯一の不安は420kgにも満たないフィジカル。馬体を維持しながら激戦を勝ち抜いていけるかがカギ。

<1位:サトノレイナス>
【概要】デビュー前から高い評価を集めていた、サトノフラッグの全妹。6月東京の開幕新馬戦を勝ち上がった際は地味な内容で半信半疑だったが、休養を挟んでのサフラン賞が秀逸。出遅れて最後方からの競馬となったが、ルメールの巧みなハンドリングにも導かれて直線一気の豪快な差し切り勝ち。決して得意とは言えない中山マイル戦を克服しての勝利が、スケールの大きさを感じさせた。
【寸評】自分のPOGドライチを1位に祭り上げてしまう企画ってどうなのよ。でも実際ここまでの牝馬路線を見ていてもこの馬を上回るスケールを感じさせる馬はいない。阪神マイルも守備範囲ながら本領発揮は東京2400mというタイプだと思うので、阪神JFはもしかしたら取りこぼしもあるかもしれないが、より完成度が高まる来年の春は今のところかなりの手応え。

<惜しくもランクインならなかった2番手グループの馬たち>
・ テンハッピーローズ:地味キャラ、2着3着候補
・ ステラリア:マイルは短そう、オークスが勝負か
・ ククナ:とめどなく漂うサンクチュエール感
・ クインズラベンダー:2戦目で土がついたのが
・ ルージュアドラブル:切れ味上々も小さすぎる..



重賞2勝馬のメイケイエールさんはどうしてもマイル以上となると厳しそうなので選外としました。ウインアグライアやユーバーレーベンあたりも消耗戦になってどうにか..といった印象。良血馬オヌールは個人的に初戦の内容が物足りなく映った。あとはインフィナイト..良馬場での走りが早く見たい。

サトノレイナスが阪神JFで2着以内なら来春かなり有望。もし食われるとすればまだデビューしていないところに天才少女が潜んでいるというシナリオか。

さてさて、どうなりますやら。



スタエフでも配信しましたので、こちらもよろしければ。内容はほぼ同じですが。