春のクラシック戦線で活躍した実績馬と夏に台頭してきた上がり馬の対戦は興味深いものだったが、結果的には前残りの淡白なレース内容に終わってしまった紫苑S。京成杯オータムハンデも似たような決着だっただけに、土日を通じて中山の馬場状態がそうさせたのかもしれない。

こういう条件になると強いのがマルターズディオサ。チューリップ賞でも2歳女王レシステンシアを負かしたが、これで春秋のトライアルを制覇したことになる。機動力が活きる展開になると持ち味を発揮できる反面、桜花賞やオークスのように持久力を問われるレースになると脆さも見せるだけに、この勝利で秋華賞での期待を高めると肩透かしに終わってしまいそうな予感。



この展開に泣いたのがウインマイティー。外枠から出たなりの位置でレースを進めた結果、後方3番手からの競馬になってしまった。とはいえこちらは本番を見据えて試走する立場。無理に仕掛けていく必要もなく、鞍上を責める必要も一切ない。4角手前から押し上げていって、かなり距離もロスしながらもしっかりと脚は使えていた。この敗戦でオークスの激走がフロック視されるのであれば、むしろ好都合。いい煙幕になったということにしておこう。

2着のパラスアテナは武豊が外枠のロスを最小限に留めての好騎乗が光った。無理せず、遅れずのポジショニングも絶妙だったし、4角も外を回る間はできるだけ脚を使わず、直線に向いてからゴーサインを出しているのが巧み。馬も着実に力をつけてきており、G1の舞台を踏むのに相応しい立場にのし上がってきた。胸を張っていこう。

デアリングタクトと同じ杉山晴紀厩舎のミスニューヨークもどこまでやれるか注目していたが、僅差の5着。動きたい時に動けなかったようにも映るが、現状の力はだいたい出せたのでは。3勝クラスを勝っているだけに賞金面で秋華賞出走は恐らく問題ないはず。デビューから続く加藤祥太とのコンビで晴れ姿が見たい。

残念ながらラヴユーライヴは12着と大敗。序盤からレースの流れに乗れずじまいで終わってしまったのは、やはりマイナス18キロの影響もあっただろうか。強行軍が報われなかったのは仕方がないが、今後に影を落とさないことを願いたい。