まさかこんな形で終戦を迎えるとは。

逆転優勝へのラストチャンスをかけた読売との4連戦。日曜の試合が雨で中止となり、仕切り直しの4戦目だったが、毎度おなじみの失策から得点を許す苦しい展開で敗れた。
中でも、2回に近本光司の魔送球で先制を許した場面は軽く血の気が引いた。三走はタッチアップを自重しているというのに..まさかこの重要な試合でこんな凡ミスが飛び出すとは。続く3回には木浪聖也の失策で走者を出すと、今度は浅めの中飛からのバックホームが弱く生還を許してしまった。前の悪送球を引きずっていたのは明らか。そこに付け込み迷わず本塁に突入してきた読売さんサイドのしたたかさも際立つワンシーンだった。



7回のボーアの打席の途中で投手をスイッチするなど、勝つために打てる手は何でも打つという采配にも凄みが感じられた。たまに動きすぎることもある原辰徳監督ではあるが、あの大胆さは経験の浅い指揮官にはまずできない判断。「獅子は兎を倒すにも全力を尽くす」とはまさにこのこと。
あとは9回の守備ですよね。大山悠輔の弱い二ゴロ、あれを併殺にできるかどうか。大山とてそこまで足の遅い走者ではない、まず間違いなく阪神の二遊間なら一塁には残してしまっていた。あの差の大きさを阪神の首脳陣は理解しているだろうか。

病み上がりの高橋遥人を中5日でマウンドに送ったのも果たして正解だったのかどうか。結果論だがいつものキレは全く見られず、直球も変化球もほとんど空振りを奪えなかった。日曜の試合が中止になった時点で、秋山拓巳をそのままスライドさせる手はなかっただろうか。悔やまれる。



ボルテージを高めて臨んだカードで負け越してしまったダメージは大きい。明日からの横浜戦も「燃え尽きた」ような試合になりそうな予感がする。しかし弱いながらも、負けが込んだ後に反発力を見せられるのもこのチームのいいところである。逆転優勝を望むのは難しいが、再浮上してくるのを楽しみに待っている。