凱旋門賞の舞台まで踏んだ馬が、夏場のダートOP特別で奮闘する姿を見ていると尊敬の念を抱いてしまう。ジュライSに出走するクリンチャー。今から思えば国内のG1タイトルにも手が届かない身分でのフランス遠征は無謀だったが、それでも京都記念を勝ち、菊花賞2着・天皇賞3着と国内トップクラスで活躍していたのは事実。だが帰国後は芝路線で結果が出ず、思い切ってダートに転向したらどうやら適性は十分だったようだ。さすがはディープスカイの血。
コンバート後は4戦して勝ち鞍こそないものの安定した走りを見せている。前走の三宮Sもヴェンジェンスとのマッチレースは見応えがあった。そして今回は単勝1番人気が濃厚のメンバー構成。58kgを背負うことになるが、ここでダート初勝利を決めたい。

過去の栄光にすがらない姿勢は、きっと実るはずだ。




ちなみに今回の鞍上は藤井勘一郎。ジャンダルムのプチ復活に貢献し、アブレイズでもフラワーCを勝つなどノースヒルズの隠れ主戦的なポジションを確立しつつある。かつてはこういう時くらい幸さんの出番が回ってきたものだが、近年はすっかり縁遠い馬主さんになってしまったものだ..

幸さんが今回コンビを組むのはウインユニファイド。8歳にして準OPを勝ちオープン入りを果たした、これまた偉いお馬さんである。昇級戦となったアハルテケSも大きくは負けておらず、走り慣れた1800mならもう少し際どい競馬に持ち込めるかもしれない。
あとグレートタイムも随分モタついてしまった印象。ようやく準OPを勝ち上がったが、早くから重賞で好走してきたことを思えば時間かかりすぎ。今からでも巻き返しなるか。ハマった時は鮮やかなゴルトマイスターも要注意。スレイプニルSの時に名前を挙げたアルドーレもいるな。