ディープインパクト記念として生まれ変わった弥生賞を制したのはサトノフラッグ。
偉大な父の血を引く産駒が唯一参戦し、
その鞍上に武豊を迎えるというシナリオは手が込みすぎているようにも思えたが、
父を彷彿とさせるロングスパートで快勝。

ちょうど当ブログでは「武豊の今季初重賞はいつになるか」的な話をしており、
そういう意味でも見事なフラグ回収だった。
これでデビュー年から34年連続の重賞勝ち。
「8度目の弥生賞制覇」というのもとんでもない数字である。

新型コロナウイルス対策の無観客競馬という逆風が吹く中の勝利は、
11年の震災直後に行われた中京記念をナリタクリスタルで制したのを思い出させる。
こういう時に明るい話題を提供できるからレジェンドはレジェンドであり続けるのだ。


それにしても今季の牡馬クラシック路線はマイラプソディと相思相愛ムードだったところに、
とんでもない新星との出会いがあったもんだから心中は複雑なことだろう。
恐らく皐月賞はマイラプソディに乗ることが既定路線。
キーファーズさんのことだから、
もしサトノフラッグに乗りたいとなったら潔く身を引くとは思うが、果たして。

そんなジョッキーを巡る動向も見逃せなくなってきた皐月賞戦線である。

ワーケアも動きたいタイミングで動けず、だったことを考えれば悲観する必要はない。
どうも窮屈そうな印象を与えた中山での2戦も無難にまとめ、
皐月賞はともかく日本ダービーでは上位争いに食い込めそうな気配は引き続き。
逆にオーソリティは出番があるとすれば皐月賞か。
ただホープフルSに続き地力の差を感じさせる内容ではある。

ゴールドシップ産駒のブラックホールも一瞬はオッと思わせる内容。よく頑張った。
ただ、少頭数かつペースが流れてマクリが利きやすい条件での結果だけに、
このへんが限界かと悟らざるを得ない。
父の名誉にかけ、胸を張って春の二冠に駒を進めてくれれば。

それから5着のオーロアドーネ。
3角過ぎから前の脚色が怪しくなり、早めに目標にされる展開になりながら、
最後まで上位争いに食い下がった内容は非常に優秀だった。