アドマイヤマーズの快勝もどこかに吹き飛んでしまうような、
最悪のシナリオが待っていた。

ルメールが3週間の騎乗停止。
グランアレグリアと臨んだNHKマイルCの直線半ばで進路が狭くなり、
外のダノンチェイサーを強引に弾き出すような形となったため。
リアタイで見ていても「ああこれはアカンわ」と判断できるレベルのもので、
あとは処分がどれだけの期間になるかで採決を待っていたのだが。

勝てないどころか、これからG1シリーズが続くタイミングで痛恨のペナルティである。
ヴィクトリアマイルのノームコア、オークスのコントラチェックはまだしも、
無敗の皐月賞馬サートゥルナーリアと臨むはずだった日本ダービーがアウトになるとは。

本来なら2週間の騎乗停止に該当する進路妨害だったのだが、
3月にも同等の制裁を受けていたのが「短期間での云々」に引っかかってしまっての加重制裁。
桜花賞→皐月賞→天皇賞を続けざまに制し、
まさに無双状態だったところで強烈な「揺り戻し」が来てしまった。

かつての岩田騎手がそうだったように、
常勝を義務付けられたジョッキーは窮地に陥ると、
どうしてもああいうラフプレーに頼らざるを得なくなるのだろうか。
やむを得ない側面もあるとはいえ、
有力馬を多く抱えるトップジョッキーがこういう形で戦線を離れるのは、
毎度のことながら残念で仕方がない。


しかも、どうやらサートゥルナーリアの代打が短期免許で来日中のレーン騎手になりそうだという。

いやー、それはさすがに..

普段はノーザンファーム様の無慈悲な行いも穏やかに見守る派ですが、ちょっと困惑。
いくら何でも初来日からまだ2週間しか乗っていないジョッキーに白羽の矢を立てますか?

元サヤでミルコという選択肢も、
あるいは母や兄にも乗っていて、かつまだ騎乗馬が決まっていない福永騎手という可能性も、
十分に考えられたのでは。

何なら武豊騎手だって空いているわけだし(これは「掛布を阪神の監督に」くらい面倒な主張w)。

オーナーサイドの決定にあれこれ口を挟むのは無粋なことだし、
そもそもファンが喜ぶ騎手のセレクトを望むことすらナンセンス。
ただ、今回に関してはあまりにも外国人騎手を盲信しすぎなのではという疑問に駆られた。
本当にこれが最善策なのだろうか..?

こうなったらJRA騎手の意地にかけて、
豪州の若武者を徹底的に締め倒し洗礼を浴びせてもらいたい。
しかし恐らくノーザンファームの同門が数多くエントリーしてくるだけに、
そこまでのタイトな空気感を作り出すのも難しそう。
いかなる事情でも「乗り替わりは勝てない」といわれる日本ダービーだが、
令和元年はそんなジンクスも覆されてしまうのだろうか。