訃報が飛び込んできてから、かれこれ一週間が経とうとしているが、
なかなか筆を執る機会がなかったのでこのタイミングになってしまった。

カンパニー逝去。

まだ17歳、天寿を全うするには早すぎるタイミングでその日は訪れてしまった。
熊本へ移った時点で種牡馬としては実質終戦、
あとはできるだけ長生きしてくれればと思っていたが、
その願いも叶わずに終わってしまった。

思い入れの深い一頭である。
特に僕が学生生活終盤から仕事を始めて会社を移ってという、
人生の中でのひとつの大きな転換期を駆けた馬だけに、
その名前を聞いて思い出される景色もさまざまだったりする。
大学の友人と深夜まで遊んでいたことも思い浮かべば、
仕事のしんどさを競馬で紛らわせていたワンルームマンションがフラッシュバックすることもある。

それも、長く一線級で活躍し続けた証だろう。


天皇賞とマイルCSを連勝し、
社台スタリオンステーションで種牡馬入りを果たした時は、
まさかこれだけ産駒の成績が振るわないとは想像していなかった。
距離適性は現代の競馬のニーズにぴったり合うし、
何よりもサンデーサイレンスが入っていないのが大きなセールスポイントになるはずだったが..
初年度から目立った産駒が出ないと早々に見切りをつけられてしまった。

ナムラアッパーとかが勝ったらそれだけでうれしかったし、
サンデーレーシングのルナプロスペクターは毎日杯にも駒を進めた。
そういえば500万下の身で皐月賞に特攻したクリノカンパニーとかもいたなw
あとは中山2500mの番人プライムセラーもよく頑張ったし、
ジェードグリーンではちょっとだけ夢も見させてもらった。

現在は目黒記念を勝ったウインテンダネスが実績では最上位。
G2勝ちの貯金もあるので、
昨年のジャパンC参戦に続き今後もG1にちょくちょく顔を出してくれるかな。
そしてそしてイェッツト。
これまでのレースぶりから、最も父に近い雰囲気を感じさせてくれるこの馬が、
奇跡的に父の血を引き継いでくれる可能性を秘めている。
先日、骨折休養明けで500万下を勝ち上がったばかりでとんでもない夢物語だが、
そうやって血の運命を切り開いてきたのは他ならぬカンパニー自身である。



今までたくさんの思い出をありがとうカンパニー。
残された数少ない産駒の応援は我々に任せて、あとはゆっくりしておくれ。

<関連エントリ>
■ カンパニーの名に秘めた思い入れ。【天皇賞回顧】 (2009年11月3日更新)

もう10年近く前の記事になるけど、今でもこの内容はハッキリ覚えてる。お気に入りの記事w