京成杯オータムハンデは単勝1番人気に支持されたミッキーグローリーが勝利。
この馬、長期休養も挟みながらずっと条件戦を大事に使われてきたこともあって、
恥ずかしながら全く存在を知らずにいた。

これはまずい。

いくら日の目を見ない臨戦過程であったとしても、なおかつ関東馬であったとしても、
「重賞で1番人気に推されて勝つほどの馬を知らない」というのが、
最近の競馬のことを追えていない自分の深刻ぶりを物語っている。
今後はますますこういうことも増えていくのだろうか..

しかし深刻といえば浜中騎手も負けてはいない。
単勝2番人気ロジクライとのコンビで臨んだ一戦は3着に終わり、
今季初の重賞勝ちはまたもお預けとなってしまった。

問題はその結果だけでなく内容である。
好スタートを決めながら外から少し競られると簡単に控え、
そこからペースを落とされるとジリジリとポジションを下げてしまう後手後手の対応。
前半800m46.9秒のスローペースでこれをやってしまっては、勝てるものも勝てない。

さらに4角手前でムチを入れるもすぐさま手綱を引きブレーキをかけるなど、
周りが見えていないことからの不可解な判断が相次ぐ始末。
このところ好調を維持している馬自身の頑張りのおかげで、
どうにかゴール前の競り合いには顔を覗かせたものの、
とても完全燃焼とは言い難い内容だった。


かつてのリーディング騎手が苦しんでいる。
16年の東京新聞杯での落馬負傷、
さらにはマイルCSでの進路妨害が大きく影を落としているのか、
ここ数年の低迷ぶりは目を覆いたくなる惨状ぶり。
川田騎手と並び早くから頭角を現し、
やがてJRAを背負って立つ役割を担うはずが、
これから円熟期を迎えるタイミングで思わぬ落とし穴にハマってしまっている。

勝負の世界とは厳しいもので、
現状の評価は騎乗馬の質・量が残酷なまでに正直に物語る。
彼のご当地である小倉では毎夏のように輝きを放っていたものだが、
今年は数えるほどしか騎乗馬がいない日もしばしば。
他の有力騎手が揃って不在の場合でさえ、この扱いである。
ノーザンファーム系の有力馬も、
ほとんどが北村友一騎手に手綱を譲る格好に。

ちなみに先週も土曜が阪神で2クラ、日曜が中山で3クラのみの騎乗だった。



そんな苦境を救ってくれるのだろうか。
小倉で出会った数少ない希望、それが新馬戦を8馬身差で圧勝したヴェロックスである。
新種牡馬ジャスタウェイが送り出す大物候補が、
今週土曜の野路菊Sに出走する。
鞍上はそのまま浜中騎手が務めるらしい。

正直、中内田厩舎&ノーザンファーム物件であることを考えれば、
海外遠征から戻った川田騎手にあっさりスイッチというのも頭をよぎったが、
さすがにそこまで非情な判断には至らなかったようだ。

彼にとっては久々のビッグチャンス到来。
もちろん勝てば安泰という状況ではないが、
とにかく結果を出さないことには何も始まらない。
ここから復活を遂げられれば、
昨今の競馬界を賑わす「人のドラマ」にまた新たな一章が加わる。

もちろんヴェロックス自身の可能性にも期待。
人馬ともに見逃せない一戦である。

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