もう競馬メディアでは毎日のようにその名前が取り上げられるようになった。
2週間にわたって、久々にJRAでの騎乗を終えた坂井瑠星騎手。
豪州に戻ってからはアデレードのナンチャラ厩舎の主戦として起用されることも報じられ、
今後ますます注目と期待を集める存在になっていきそうである。


それにしても、先週の彼は山あり谷ありであった。
まず、東京での騎乗となった土曜はメインの欅Sを伏兵ドリームキラリで快勝。
出脚鋭くハナを奪うと、直線で早めに並びかけてきたベストマッチョを競り落とし逃げ切り勝ち。
行くべき馬で行けるのは、間違いなく位置取り争いの激しい豪州での経験が活かされてのものだろう。
それを注目度の高い東京のOP特別で披露できた価値は大きい。

日本ダービーの裏番組扱いとなる日曜の京都では、有力馬にも多く騎乗。
9R東大路Sでは中内田厩舎×吉田和美氏所有のフォンターナリーリを勝利に導いた。
好位付けから早めスパートで後続を置き去りにするワンサイドの内容で、
非常に見栄えのする勝ちっぷりだった。

そしてそしてメインの安土城S..
重賞で好走を続けるモズアスコットは単勝1.5倍と圧倒的な人気を集め、
その支持に応えるのも造作ないことと考えていた。
ところがスタートで痛恨の出遅れ。
よく見ると馬が横を向いたタイミングでゲートが開いてしまい、不運といえば不運だった。
人気を背負う立場上、さすがにあの位置でじっとインコースで待っているわけにもいかず、
ロスを承知で3角過ぎから外を回って追い上げる苦肉の策。
4角でも大外を回っての追撃で、もう完全に馬の地力頼みの立ち回りである。
しっかり脚を使ってはくれたが、さすがにゴール前は劣勢になり、
最後はダイメイフジに敗れ2着に終わった。

単に人気を裏切っただけでなく、
陣営としては連闘で安田記念出走も狙っていたと思われるだけに、この敗戦は重い。
好事魔多しとはまさにこのことで、
できることならドリームキラリの勝ち鞍と交換してほしいくらいである。
「勝って当たり前」の馬で勝つことの尊さを再確認させられた。

本当に、モズアスコット以外はカンペキな一週間だっただけに今でもあの出遅れは悔やまれる。
これは「まだまだ甘くないぞ」という競馬の神様からのメッセージ..
そう受け止めてまた遠征先で精進に励んでもらいたい。

僕もそう切り替えて応援します。