いつもなら「当たった、外れた」で大騒ぎになるレース直後も、
この時ばかりは固唾を飲みながら事の成り行きを見守るしかなかった。
乾坤一擲のイン差しで天皇賞を制したレインボーライン
だが、悲願のG1勝利を成し遂げた次の瞬間、
鞍上が下馬し馬運車が駆けつけるという事態に。
「最悪の結果」も頭をよぎる中、
本来ならば祝賀ムードに包まれる表彰式も、
複雑な空気の中で進められた。

レインボーラインの診断結果はひとまず「跛行」ということで、
まずは生命を脅かすまでの危機は免れた模様。
ただ、まだ余談を許さぬ状況であることは確かで、
何らかのダメージを負っているのは間違いないのではないだろうか。

改めて思う、無事であってこその栄光であると。
勝利の喜びも、馬やジョッキーが無事でいてくれてこそであると。
そんな当たり前の心情を再認識させられる結末だった。


ネームバリューには欠けるメンバーの争いではあったが、
ゴール前の争いも含めて非常に見ごたえのある激闘だった。

それもシュヴァルグランが堂々と受けて立つ競馬をしてくれたからだと思っている。
さすがはボウマン騎手である。
好発からジワリと加速させると、最初のコーナーへ入る際には何と4番手を確保。
脚質的に差し損ねを最も恐れる一戦で、
この位置取りができるあたり、完全にこの馬を手の内に入れている。

ただ、結果的にそのポジショニングが仇となったのが、
2周目バックストレッチからの攻防によって、
早めに動かざるを得なくなったこと。
直線入り口で早々に先頭に立つことになったが、
もう少しスパートを遅らせられれば勝ち馬の強襲もしのげたかもしれない。
あくまでも結果論だが。



新たに楽しみも生まれた。
3着のクリンチャーが武豊騎手とのコンビで凱旋門賞に挑戦することが決定。
いわゆる超エリートではないが、
ナカヤマフェスタのように、脇役キャラが意外な頑張りを生んできた歴史もある。
堂々と行けばよい。

そして3浦..いや三浦騎手はこの春だけで3度めのG1銅メダル。
大阪杯で捨て石に使われたシュヴァルグラン陣営へのリベンジ..という気持ちがあったかはわからないが、
ともかくまたも悲願達成は持ち越しに。

同じくG1初制覇への挑戦が続く藤岡佑騎手のガンコは14着と大敗を喫したが、
堂々の先行策で力を出し切ってのもの。悔いはなかろう。
むしろここまで成り上がってきたスタイルを大舞台でも貫けたことを評価すべき。



昨年のキタサンブラック×サトノダイヤモンドのような頂上決戦的な興趣とはかけ離れた、
乱戦模様の一戦のどこに楽しみを見出すか難しいところがあったが、
いざレースが始まってみるとなかなかどうして。
運良くテレビでリアタイ観戦できたのもよかった。
VTRだけならレース後の雰囲気を察知することもできなかったわけで。

ただ、馬券を買うにはちょっとハードルが高すぎたのも事実で、
どうやら売上は前年比でまあまあ激しくダウン気味だったらしい。
その気持ちはわかる。

以上、昨日のエントリで「初志貫徹でシュヴァルグランの単勝」と書きながら、
結局ROMした人の天皇賞振り返りでした。