ウオッカ、ブエナビスタ、ハープスター、ルージュバックそしてメジャーエンブレム。
阪神競馬場が新装オープンしてから行われた桜花賞10回のうち、
その半分にあたる5回で、
単勝1番人気馬のオッズが2倍を切る「大本命」が存在してきた。

ちゃんと調べたわけではないが、
これだけ頻繁に圧倒的支持を集める馬が出てくるG1も珍しいのではないか。

桜花賞の場合、
特に外回りコースになってからは純粋な力比べの舞台となり、
同じコースで行われる阪神JFやチューリップ賞の結果ないしは内容が、
反映しやすい設計なのが大きな理由と考えていいだろう。

しかし、言い方は悪いがしょせんは3歳春の牝馬。
前述の5頭の成績は【2.1.0.2】と、
グリグリの本命馬としては不甲斐ない成績に終わってしまっている。

そして今年も、デビューから4戦4勝の2歳女王ソウルスターリングが、
単勝1.4倍の大きな期待を背負って出走。
そのレースぶりにはスキがなく、
ここ2年続いた「背信」を心配する必要はないかと思われたが..


しかし歴史はくり返されるのであったw

● 2017年4月9日/阪神11R:桜花賞
□ レース結果 (netkeiba.com)
予想エントリ: 【予想■桜花賞】よほどのことがない限り..

ソウルスターリング、まさかの3着に終わる。
しかも展開の紛れとか不利とかじゃなくて、割と普通に走っての完敗。
前を捕らえきれず後ろからも差されるというのも印象が悪い。

敗因は馬場に尽きると思うんですけど、
「フランケルなら大丈夫っしょ」みたいな雰囲気に満ちていたのが恐ろしい。
これも無敗馬の怖さというやつか。

● 戦前の評価
前述のとおりソウルスターリングが単勝1.4倍で、
唯一とも言うべき対抗勢力として期待されたアドマイヤミヤビが5.5倍。
この2頭の馬連は3.5倍程度で推移していたのが、
最終的には3.1倍にまでオッズが下がった。
他ならぬ僕もそうですけど直前にぶち込んだ人たち元気にしてますか。

そこから先は横一線。
リスグラシュー、ミスパンテールがとりあえず3番手筆頭、
未知数ながらもミスエルテ、そして堅実派アエロリットと続き、
フィリーズレビュー勝ち馬のカラクレナイまでが単勝20倍台。
そしてここから大きく離れて実績馬レーヌミノル。
今となってはライジングリーズンと同程度のオッズというのが信じられないw

● 展開とラップタイム
雨上がりの桜花賞は稍重馬場。
勝ち時計1:34.5が示すとおり、パワーを要するコンディションとなりました。

・ ラップタイム
12.7 - 10.9 - 11.1 - 11.8 - 11.8 - 11.5 - 11.9 - 12.8 = 94.5 (av. 11.8)

予想通り内枠からショーウェイやベルカプリが飛び出すと、
大外のカワキタエンカも宣言通りハナを主張。
前半600m通過時点でタテ長の隊列に。
好位集団にはヴゼットジョリー、レーヌミノルにミスエルテ、ジューヌエコール。
中盤もずっと11秒台が続く引き締まったラップで、
瞬発力よりも踏ん張る力が問われる戦況になった。

ソウルスターリングもここにいるはずだったが、
もう一列後ろでリスグラシューらと馬体を並べる形に。
ミスパンテールはその直後でチャンスをうかがう。
そしてアドマイヤミヤビはさらに離れて後方2番手。
ポジション自体はともかく、
鞍上が手綱を押しまくって前進気勢がまったく見られない。
この時点で終了を覚悟する。

● 直線の攻防
大逃げの勝負に出たカワキタエンカが粘り腰。
しかし好位から抜け出しを図るレーヌミノルの脚色がいい。
そしてそれをめがけてソウルスターリングも追撃を開始。
同じ位置につけていたリスグラシュー、カラクレナイも追いすがってくる。

一時は前に迫る脚を見せていたソウルスターリングは、残り1Fのところで失速。
先頭に立つレーヌミノルを、代わってリスグラシューが捕らえにかかったところがゴール。
ソウルスターリングは際どい3着争いをわずかに制し、
そしてアドマイヤミヤビは大外に持ち出されるも最後まで見せ場なく敗れた。

● 阪神JF3着ながら評価を落としていたレーヌミノルの逆襲
阪神JF3着ながら、評価を落としていた△レーヌミノルの逆襲である。
フィリーズレビューの負け方が印象を悪くしていたのかもしれないが、
ここまで低い評価に甘んじるような馬ではない。
展開や馬場が向いたのは大きな勝因だが、
この緩みのないペースを好位から押し切れる点は高く評価すべき。

小倉2歳Sという将来性ナッシングな重賞をクラシックにつなげたこと、
このところ勢力をじわりと伸ばす渋い「ミノル」冠にもたらしたこと、色々と功績は大きい。

そしてG1ハンター池添騎手の勝負強さ。
アローキャリーのド派手なガッツポーズから15年が経ち、二度目の桜花賞制覇。
戦法は極めてオーソドックスな先行策、
しかしそれを勝利につなげてしまうのだから「持っている」と言わざるを得ない。

あとは自らの不注意でこの馬を手離してしまった浜中騎手の奮起に改めて期待。

● あと一歩及ばずもオークスへ楽しみが膨らむリスグラシュー
阪神JFに続き2着に終わった△リスグラシュー
ソウルスターリングと離れていてはノーチャンスと、
序盤からマークするような形で進め、
三度目の対戦で初めて先着に成功したが、前に残念ながらもう一頭いた。
しかし他の上位勢が距離延長に手こずりそうな中、
オークスへ向けて手応えをつかめる内容だったのではなかろうか。
惜敗を糧にするのが強いハーツクライ産駒である。

● 「よほどのことがない限り」と見ていた「2強」の敗戦をどう受け入れるか
○ソウルスターリングについては先程も書いたとおり、馬場が堪えたのが大きい。
初めての体験でありながら「大丈夫」と言われてしまうあたりが、圧倒的人気馬の難しいところである。
ルメールは2年連続で期待を裏切る形になったが、
こと今年に関しては普通に乗った結果。
思ったよりポジションが後ろになったのも、馬場の影響があったのではなかろうか。
あとは、序盤からまずまず消耗させられる展開になったのもリズムを崩す原因に。
このへんの要素を疑うことはできても、事前に見透かしておくのは難しい。

◎アドマイヤミヤビはもっと信じられないような負け方。
道悪はむしろ歓迎とか言われておきながら、
フタを開けてみたら全くハミを取らず3角過ぎからミルコの手が動く始末。
これを度外視してオークスで買えるかどうか。難問。

● 全く的外れな予想をしておきながら3連複を拾う
・ 予想は的外れでも馬券は的中できるんです
170409_HSN11A
170409_HSN11B
170409_HSN11C
170409_HSN11D
170409_HSN11E

ちょい勝ちとはいえこれはリソースの勝利。
点数を絞っていたら間違いなく取り切れない決まり方。
ちなみに検討段階では06.10.12.16の馬連ボックスもあったので、
ちょっともったいない気もするけど贅沢は言わないw
【回収:5,020円/投資:4,000円】

● その他ひとことメモ
・ 4着 ×カラクレナイ
一瞬この馬にやられたかと思った。見せ場たっぷりの4着。
ローエングリンが第二世代にいい馬を送り込んでくれたのはうれしい。

・ 5着 △アエロリット
オークスに望みをつなぐ内容。しかし血統的にはこのへんまでか..

・ 11着 ×ミスエルテ
細い。イレ込み。気性面での成長がなかった。

・ 16着 △ミスパンテール
ここまで大きく負ける馬ではないと思うが、
キャリアの浅さを考えると、
いきなりのG1でこうなってしまうのも仕方ないかもしれない。



スーパーヒロイン誕生とはなりませんでしたが、
馬券的なおもしろみもあり、
なおかつオークスへのネタバレもゼロに近く、
今後に向けての楽しみも十分に残る結末だったのではないでしょうか。
確かフローラSにはホウオウパフュームとかいうのが出てくるんでしたっけ。
もしかしたらファンディーナも皐月賞の結果次第ではこっち合流もありそうですし。

最後になりましたが、
来年以降も牝馬三冠路線の実況は小塚アナ続投でお願いしますね!