「終わってみればいつだって強い」。
それが○モーリスの底力。

思えば昨年のマイルCSもそうだった。
休み明けがどうだ、ゲートがどうだ外枠がどうだ..
不安材料に気を取られ、
不当に評価を下げたところで次元の違う強さを見せられた。

今回も2000mへの挑戦、そして左回りへの適性が改めて疑問視されながら、
14頭をねじ伏せるかのような圧巻のパフォーマンス。
残り200mの時点でもう先頭に立ち、
懸命に追いすがるリアルスティールやステファノスを楽に振り切った。


そして、それを可能にするライアン・ムーアの手綱さばき。
見事なエスコートだった。
2角で外からヤマカツエースとラブリーデイにかぶせられても、
無理に張り合わず折り合いに専念。
包まれない中団外を確保し、もちろん余計な力は使わせない。
調整過程の違いはあれど、
あれだけ引っかかった安田記念とはまるで別馬のようだった。
あとはしっかりと末脚を引き出すだけ。
特別なことはしていないように見せるのが、この職人の巧さ。
勝利騎手インタビューもそこそこに、
火曜日に次のオファーが待つ豪州へ向け颯爽と駆け去る様子がカッコよすぎた。

モーリスの次走は香港でラストランを迎えることに。
香港カップか香港マイルかの選択については、
「ムーアが乗れる方」になりそうだというw
これだけ息の合った騎乗を見せられては、
意地でも手放したくないパートナーだろう。
仮にどちらに出るとなっても、有終の美を飾る可能性は極めて高い。



2000mのG1初参戦のモーリスに一蹴された中距離カテゴリの名士たちの皆さん、
気分はいかがですか..
しかし本当に相手が悪かったとしか言いようがない。
結果論でも何でもなく、
パドックの映像を見ていても、
これだけのメンバーにありながらモーリスの馬体は迫力が抜けて凄かった。
カメラがパンした瞬間に「うおっ」と思いましたもんね。
もっともそれがマイラーとしての体形なのかなとも想像したのですがw

そんな中、ドバイターフの勝ち馬として意地を見せた×リアルスティール
休み明けで外枠、ミルコなら出遅れてジェットスキーで終了やろうと思っていたけど、
外からの正攻法の差しで2着まで追い込んだ。
これで次がジャパンCとなると死ぬほど悩ましい。
▲ステファノスは昨年と同じような競馬で3着。
こちらも自分の脚は使えている。川田騎手にもこれ以上は望めまい。
たぶん次は香港へという話になりそうだが、
きっと心の中では「モーリスは香港マイルへ行ってくれ」と願っているはずw

◎アンビシャスは出遅れがすべて。
JRA公式映像では正面からしかゲートの映像がなく、
どれだけ遅れたのかハッキリとはわからないが、
飛び上がるように出て内にヨレた様子を見ると、まあまあ大きなロス。
その後はジッと内で我慢し直線は空いたインを突いたが、
やや道中で行きたがる素振りを見せていた分、弾けなかった。
前でも後ろでも、出たなりの位置で競馬をしてくれればと思っていたが、
ゲートがアレだと差すにしても後手に回ってしまう。悔しい。
懸命のリカバリを見せた鞍上は期待通り乗ってくれた。

馬券は馬連○▲ならびに3連複○▲◎をリアルスティールに割られる結果になりました。
ただ、ほぼ消しに近い評価だった×ルージュバック×エイシンヒカリに走られなかったのは救い。
ルージュバックは4角でリアルスティールにフタをされて終了。
たぶん外に出さないとスムーズに加速できないタイプで、
そんな注文通りの競馬ができるほどG1は優しくない。
エイシンヒカリには「ペースが遅すぎる、タメてどうする」という声もあるようだが、
じゃあ出して行きましょうかと序盤から促すとたぶん57秒台とかで入ってしまうと想像。
結局は彼の気分に任せるしかなく、
変幻自在のペースメイクができるほど簡単な逃げ馬ではない。



しかし久々に一週間みっちり馬券と向き合うことができて楽しかったです。
予想を切り離して見るレースも当然おもしろいものですが、
馬券が絡めば何倍も楽しめるし、記憶にも色濃く残る。
結果的に手痛い敗戦となりましたが、それなりの充実感を得て天皇賞終了。