劇的でもあり、そして色々と考えさせられる試合でしたね。
8月14日の第三試合、東邦×八戸学院光星は、
東邦が9回裏に4点差をひっくり返すサヨナラ勝ち。
これぞ甲子園の醍醐味とも言える、ドラマチックな幕切れでした。
それはそれでいいんですけど..


■ 八戸学院光星・桜井「全体が敵なんだ」甲子園に魔物(ニッカン)
八戸学院光星(青森)が壮絶な逆転負けを喫した。9−5で迎えた9回裏。エース右腕・桜井一樹(3年)が「甲子園の魔物」にのみ込まれた。

 先頭に左前打を許すとムードは一気に東邦一色へ。大音量のブラスバンドの演奏に加え、タオルを回す応援が三塁アルプススタンドを除く甲子園全体に波及する異様な光景の中、桜井が9回だけで6安打を浴びて5点を失い、サヨナラ負けを喫した。目を赤く腫らしながら桜井が言った「全体が敵なんだと思った」という言葉が、すべてを物語っていた。

これな。
9回はお客さんが完全に東邦に肩入れして、
光星学院にしてみれば「完全アウェイ」みたいな空気になっていたという。
僕はテレビをチラ見していて、
音量もそこまで出していなかったので歓声はよくわからなかったんですが、
バックネット裏に招待されている少年たちが、
周りと同じくタオルを振り回して楽しそうにしていたのを見て衝撃を受けました。
普段は置物のように微動だにしないというのに..

結果だけを見れば、
雰囲気に飲まれた側の負けだとも言えるけれども、
まだメンタルも未熟な高校生にそれを乗り越えろというのも酷な話。



特定の学校を応援しているわけではない立場からすれば、
終盤に劣勢に立たされている方を応援したくなる気持ちはわかる。

しかし..

その先にある「何かおもしろいこと起これ」という野次馬的な期待感。
それだけではない。
「それを現地で見てよかった」という満足感、
さらには何年か経った後、
「自分はあの試合を現地で見た」と言いたい欲求..
それらの感情すべてが渦巻いた結果が、
「完全アウェイ」の雰囲気を作り出したのだとすれば、
真っすぐには受け入れがたいことだ。

この日は第四試合に横浜×履正社の好カードが組まれていたこともあり、
始発前に甲子園に着いても内野席のチケットを買うことができなかったという。
このクッソ暑い中、徹夜をしてまで見たいもの。
それはもしかしたら高校生の野球ではなく「筋書きのないドラマ」であり、
本当に求めているのは「そこでそれを見た」という事実なのかもしれない。

もう手に負えないほどのインフレを起こしている高校野球人気にドン引きしながら思ったことです。

良いとか悪いとかではない、アルプス以外は応援するなとかそういうことでもない。
ただ、経験則で言うと、
もし自分があの空間にいたとしても絶対にタオルを回したりはしなかっただろう。