大相撲初場所は琴奨菊が優勝!
数日前から「日本出身力士10年ぶりの優勝あるで」と、
ジリジリ盛り上がっていましたが、
無事にその瞬間を迎えることができました。

僕も若貴兄弟を中心とした90年代の相撲ブームの頃は、
それこそ千秋楽は毎場所テレビでかじりつくほど見ておりましたが、
世間の関心が離れるのと時を同じくして、近年はもうサッパリ。
八百長だ賭博だ殺人だで角界のイメージは底に落ちましたが、
それとは関係なく興味の対象から外れていきました。

なので今回は久々に、
「朝青龍が休場中にモンゴルでサッカーしてる」とか、
「マスコミにだんまりを決め込む白鵬」とか、
そういったスキャンダラスな側面ではなく、
純粋に競技として関心を注ぐ機会となったわけでした。


さて。問題はここからですよ。
久々にちゃんと大相撲を見てウラヤマだったことがありましてね。
それは何かと言うと「変わっていないこと」なんですよ。
試合数、優勝決定方法。
もっと言えば場所が開催される時期、日程といった面まで。
力士の顔ぶれこそ変われど、
基本的なレギュレーションは同じ。

「15試合で一番多く勝ったヤツが優勝な」。

先にも書いたとおり、大相撲の人気はガタ落ちしたと聞きます。
そこで協会(という言い方でいいのかな?)はテコ入れを検討しなかったのでしょうか。
例えば「少しでも客が入るように土曜に始めて間に1日休もうぜ」だとか、
「最後の盛り上げのために上位3人でプレーオフやろうぜ」とか。

話題性・集客・売上は興行において切り離して考えられない問題です。
なくなったらおしまいです。存亡の危機です。
結果的にその救済策として、
プロ野球のクライマックスシリーズやJ1リーグのチャンピオンシップが生まれました。
また、中央競馬でも売上の伸びないローカル開催を縮小し、
3日間開催で東京・中山・京都・阪神の番組を増やすなど、
あの手この手で売上確保に奔走しています。

今までのやり方を変えて、
別になくても困らなかった「ヤマ場」を作り上げる手法や、
売上を意識していることがバレバレの施策に対しては、
納得しきれないまま付き合っているというのが本音です。
お金さえあれば今まで通りに戻れるのになと、
ついボヤきたくもなります。

大相撲は変えなかったのか、変えたくても変えられなかったのか。
それとも、別に変える必要がなかったのか。
そのあたりは詳しくわからないので何とも言えません。
そもそも相撲と野球・サッカーさらには競馬を同列に語ることが、
もしかしたら的はずれなことなのかもしれません。
だとしたら申し訳ないですが、
まあそんなことはどうでもいい。
見ていて「いいなー」と思ったんだから仕方ないです。



近年は相撲の人気が回復している聞きますが、
こうして過去のファン層が戻る場所がきちんと用意されていることも、
ひとつの原因ではないかと思いました。

もし昨日、全ての取り組みが終わった後に、
「はいじゃあ成績上位3力士による決勝トーナメント、まずは白鵬vs豊ノ島、ファイ!」
なんて始まったら戸惑い不可避だったでしょうね。

昨季からJリーグが取り入れたのって、それに似たものだと思うんです。
そしてNPBは10年もそれを続けてるんです..。

大相撲ファンの方々は色々あって大変だったでしょうが、
それでも「いつも通り」を楽しめていて羨ましいと思いました。
そしてもし、「マンネリでつまらん」と思う方がいらっしゃるのであれば、
どうか変わらないでいることがどれだけ尊いことかを知っていただきたいと思います。