予期せぬタイミングでの発表には驚いたけれども....
近年の低迷ぶりを見れば、
「来るべき時が来た」と言うべきかもしれません。
藤田伸二騎手が現役引退を表明。
90年代後半から数々の名勝負を見せてくれるとともに、
フェアプレーへの強いこだわりを結果として残した素晴らしい名手です。
その人柄ゆえにトラブルも絶えませんでしたが、
アスリートとしての価値を傷つけるものではなかったと思います。
だからこそというべきか、
時代の流れに抗えずに成績を落としてしまった近年の不振ぶりを、
環境のせいにしてしまった引退メッセージにはガッカリしましたね。

9月6日札幌競馬最終日にて騎手人生25年間に終止符を打つことに決めました。数年前からエージェント制度の強調により、騎手の腕など関係なく成績に偏りが生じて地方や外国人ジョッキー主体の流れが強くなりました。そうすると一生懸命に調教を頑張っている連中の活躍の場もなくなり、乗るチャンスも減り昔のように ピリピリとして切磋琢磨な勝負の世界には程遠い環境になっているのが事実であります。エージェントによりリーディングの順番が年頭から決まっているような世界。何が面白いのか?

2、3年前から疑問を抱くようになり、競馬に対するモチベーションが無くなっていました。ですが私を応援してくれていた少数のオーナーさんのお陰で今日まで乗り続けてきましたが、これからダラダラ続けてもファンの皆様に落ちぶれたと思われるのも不甲斐ないし、いつまでも競馬会にしがみつきたくないのが本音です。騎手になって良い事、悪い事と沢山ありました。競馬会にも迷惑かけました。だから引退する時はサッと居なくなるつもりで決めてました。早いうちに発表してしまうと1000勝以上してる私は引退式を行わなければならないと思ったし、正直、私の性分じゃありません。競馬会に一切未練はありませんし、今後は時間に振り回されず自分の好きな事をして生きて行こうと思ってます。

今まで沢山のファンの皆様に応援して頂いたことは私の財産でもあり感謝の気持ちで一杯です。また違う形で恩返ししたいと思ってますので、どこかで逢いましょう。

最後になりますが、静かに引退する事は俺らしいでしょ。

本当に25年間、有り難うございました。

藤田伸二

■藤田伸二騎手引退メッセージ - umajin

結果を残した人に対してこんなこと言うのもヤボなものですが、
これって結局モチベーション保てなくなったのをエージェント制のせいにしてるだけでしょ。
曰く「おもしろくない」状況の中でも、
必死に時代の流れに逆らいながら奮起するベテランもいれば、
厳しい境遇で懸命に這い上がろうとしている若手、
落ちぶれながら再び浮上しようとしている苦労人がいるわけですよ。

彼らにちょっと失礼じゃないですかね?

エージェント制に対する問題提起は藤田騎手の著書の中でも触れられており、
きのう今日になっていきなり言い出したことではないことは知っています。
しかし、ケジメをつけるその日の声にまで書かなければならないことだったのか。
「俺らしく静かに」引退するのであれば、
恨み言も残さずにムチを置いた方がよっぽどカッコよかったし、
彼のファンにも喜ばしいことだったのではないでしょうか。

それすらも「歯に衣着せない言動」が持ち味だった人らしいといえばそれまでですが。