プリンシパルSを制し日本ダービーの優先出走権を手にしながら、
悠然と晴れ舞台をパスしラジオNIKKEI賞へと駒を進めたアンビシャス。
いわば「名を捨て実を取る」選択を下したわけで、そういう意味では必勝態勢だった。

結果は3馬身半差の圧勝。
小回りの福島コース、そしてトップハンデ56.5kgを克服し、
ルメール騎手の抜群の手綱捌きにも導かれ、
2着のミュゼゴースト以下を大きく突き離した。

これは「レアケース」で終わるのだろうか?

ご存じの通り近年の日本競馬はトップクラスの馬のレベルが拮抗しており、
ちょっとした展開のアヤ、馬場などの条件が大きく結果が変わってくる。
馬券の予想をする上でも、
「どの馬が一番強いか」より、
「この条件に一番向くのはどの馬か」という観点を持つことが自然なこととなってきた。

これだけ適性が細分化されると、
合わない条件のレースに無理にチャレンジするより、
勝算の高いレースに狙いを定めるという現実的な選択肢が支持されるのもわかる。
オールラウンドな活躍を求めるのは難しい時代がやってきておる。

こうしてアンビシャスが成功例として認識されれば、
今後も「日本ダービーを回避」という事例は出てくるのかもしれない。
もしかしたら、時代の流れを象徴するレースを見たということになるのかも。