ドゥラメンテ骨折の情報がリリースされた先週土曜日。
あなたはその瞬間、何を思いましたか。
三冠が絶望的になったことを嘆きましたか。
凱旋門賞への挑戦を断念せざるを得なくなって悔しい思いをしましたか。

僕の感想は「ありゃりゃー、残念やなあ」といったものでした。

二冠馬が夏の休養中に骨折、である。
どれだけ落胆しても不思議のないシチュエーションだったにもかかわらず、
ガッカリ感が最小限にとどまったのは何故か..

その理由は、「そこまで秋が楽しみではなかった」からだと気付いた。

海外遠征に対しては早くから消極的な姿勢だったということ。
古馬勢で、初対戦が楽しみなビッグネームが不在であること。
そして、クラシック三冠達成に関しては近年に何度も見てきたこと。

もちろんドゥラメンテの存在自体は魅力的なのだが、
彼が成し遂げるであろう何かに対する期待感みたいなものが希薄であったことを思い知った。
それこそ早くからフランス行きが決まっていたりしたら、
もっと受け取り方も違っていたかもしれないけれど、
今まで何度か見てきたヤツが今年は見られない程度であれば、
そこまで落ち込む必要がないのも仕方がないのかもしれない。

そう考えると、競馬の楽しみ方もなかなか難しいことになってきたなと再認識する。
何と言っても「未知の領域」が狭くなってきたのだ。
どれだけ馬が頑張っても、ああそれ見たことあるわで済むケースが増えてきたとなると、
心の底から感動できるチャンスは限られてくる。
新しく競馬の世界に飛び込んできたファンたちはそれでOKだが、
20年近く付き合ってくるとなかなか..

競技として純粋にトップを目指す側面からの満足を得ることが難しくなると、
残された道は馬券を当てることに対する満足を追い求めるか、
あるいは「ファン活動」に勤しむか、という選択肢が待っている。
贔屓のジョッキーの活躍を応援したり、
特定の種牡馬の産駒を追いかけたり、
一口馬主として幼駒の間から愛情を注いだり、
あるいはPOGで未来の日本ダービー馬をいち早く見つけようと目を皿にしたり..

ひとことで言うと「自分だけの名馬さがし」が楽しい時代がやって来ているのかもしれない。

このところ人気が回復傾向にあるといわれる大相撲も、
優勝争い以外に楽しみを見出しているファンが多いと聞く。
「一番強くなくてもいいから、自分のために頑張ってほしい」。
これからのスポーツ人気を支えるのは、そんなファン心理なのかもしれない。