凱旋門賞を見据えて、ゴールドシップとハープスターが札幌記念に出走する。
あくまで本番は海を渡ってからになるが、
それでも現役を代表するスターホースの激突はこの夏最大のビッグイベントと呼べるだろう。
札幌記念の入場者数レコードは76年の60,549人とのことだが、
リニューアル効果も手伝ってその更新もひょっとしたら..と期待を抱かせる。

余談ながら76年はトウショウボーイが(昔で言う)4歳の身で参戦した年。
今と違って芝コースがない札幌競馬場、
皐月賞馬をいきなりダート戦に投入した意図はよくわからないが、
察するにとても大きいとはいえないキャパシティに6万人を集めた、
トウショウボーイの集客力は特筆に値するレベルではなかろうか。
※同期の日本ダービー馬クライムカイザーも出ていたとはいえ



さてゴールドシップである。
このレースの行方だけを占うのであれば、「時計のかかる馬場なら問題ないでしょ」で終わる。
ただし前述の通りこれは凱旋門賞のプレップレース。
未だ見ぬロンシャンの地で戦うにあたって、試しておくべきことはないだろうか。
5歳の夏になって今さら..という思いもあるが、如何せん目指す舞台が高いところにあるだけに。

とはいえ、芝のコンディションやら滞在中の拠点、競馬場の雰囲気やらは、
行ってみないことには何とも。
強いて言うなら、「狭い馬群から抜け出す訓練」ができればといったところか。
皐月賞のイン突きは例外として、
馬群の外をぐるっと回って差すのがゴールドシップのパターン。
どうしても後ろから行くことが多い脚質、
エンジンのかかりに時間を要する特性などを考えると当然の策ではあるのだが、
世界の強豪を相手にそこまで悠然と構えているヒマはなさそう。
ならばあの凝縮された馬群の中で仕掛けるタイミングを探る経験を積んでおくべきでは..

幸いなことに登録馬は15頭おり、1ケタ頭数に収まるようなことはなさそうなだけに、
条件的には悪くないはず。
あとは結局、馬群に入れるかどうかなんだよなーw
ダッシュがつかず後方から、どこかで外を回って差を詰めるイメージしか思い浮かばない....

陣営とて「勝って弾みを付けたい」という目論見もあって当然。
今までと違う競馬をするリスクをわざわざ負おうとも考えていないかもしれない。
その中で、結果以外に何か収穫が得られれば実りある前哨戦になるはず。
しっかりとその足慣らしを見守りたい。