芝とダートを問わずG1級の活躍を見せた怪物たちが次々に現れた時代があった。
それから時は経ち、一旦は「分業化」の波が押し寄せ、
JRAの芝ダート両方の重賞を勝つ馬はほぼ絶滅するまで追い込まれた。
ところが、この時代の流れは加速するかと思いきや、
ここに来てダートでも瞬発力が求められるようになると、
かつて芝で才能の片鱗を見せた馬がダートへコンバートされ開花するケースが続出。
今回のメンバーだけでも、
ベルシャザールやゴールスキー、ノーザンリバーやブライトラインが似たような道を歩んできた。

一方で、ホッコータルマエやニホンピロアワーズといった、
若い頃からダート一本で成り上がってきたタイプもまだまだ健在。

果たしてこれからの主流となるのはどちらか。
ダート界の未来を占う一戦といっても過言ではない。そんな気がしている。

◆東京11R フェブラリーS
◎ ホッコータルマエ
☆ ベストウォーリア
☆ ワンダーアキュート
☆ ニホンピロアワーズ
☆ アドマイヤロイヤル
☆ ベルシャザール

ダート路線をひたむきに歩んできたホッコータルマエが、悲願の中央G1獲得を果たす。
圧倒的1番人気に支持されたJCダートでは、
早めに先頭に立ったところソラを使ってしまい減速。
決してバテたわけではないながらも、ベルシャザールの強襲を受ける形で敗れた。
ずっと手綱を取ってきた幸さんとしても痛恨の敗戦だったことだろうし、
結果的に最優秀ダート馬の称号も取り損ねる形になってしまった。

舞台も立場も変わって迎える、今回のリベンジマッチ。
最大のポイントは、芝スタートのマイル戦への適応だろう。
それこそ芝でも活躍してきたベルシャザールらにとっては何ら問題のない条件。

だが、結論からいえば「大丈夫」と判断する。
根拠はふたつ。まずは8枠15番と外枠を引いたこと。
万が一、ダッシュが鈍ったとしても注文をつけてポジションを取りに行ける枠だし、
外に入ったのがシルクフォーチュンなら被される心配もまずありえない。
メンバー的にそこまで序盤からハイペースになるとも思えず、
ジワリと好位をうかがう形に持ち込めそうだ。

もうひとつが、前に東京マイルを走った青梅特別のレース内容。
今でこそポンとゲートを出て楽に番手を取れるようになったが、
3歳時は鞍上が出ムチを入れなければならないほど行き脚が鈍かった。
にもかかわらず、このレースでは馬なりで3番手を取りに行けた、
ということはむしろ適性は高いのではないかという期待が持てる。

ほら、行ける気がしてきたでしょう。

ジョッキーも3週間のペナルティ明けで気合い十分だろうし、
やっぱりブルーコンコルドで果たせなかった中央のダートG1取りを成し遂げてほしい。
そして夢は大きくドバイへ....!



馬券は◎アタマ固定3連単で勝負..といきたいところなのだが、
ちょっと怯んで単勝と3連複の二段構えで備える。
やはりベルシャザールの存在は脅威。
上がりが速くなる東京に替わるのは間違いなくベターだし、
今回はこちらが1番人気になりそうなのもよくわかる。
正直、ルメール→C.デムーロへのスイッチがなければ厳しかったかも。そこにつけ込みたい。

あとは買わなきゃいけないニホンピロアワーズ
こちらは芝スタートのマイルで苦しいことになりそうだけれども、
今さらそんなことで裏切るわけにはいかない。圏内には食らいついておいで。

このままでは人気馬だけ買って終了になっちゃうので、
高配当の使者として期待したいのがアドマイヤロイヤル
根岸Sはいかにも叩き台といった印象だった。
スローで流れそうな可能性があるメンバー構成で、この馬の一瞬の脚が生きてくる。
ベスト条件の左回りマイル戦で、3着滑り込みにこっそり期待。

キレという面では新星ベストウォーリアも引けをとらない。
昨年の武蔵野Sでなかなか前が開かないながらもアドマイヤロイヤルとハナ差。
いかにもイマドキのダート馬である。
湿った馬場ならもっと高く評価すべきだっただろう。

逆にワンダーアキュートはスローになると、
内で動けず苦しい競馬になりそうな気もするのだが、
かといって「スロー確定」と決め打ちして印を打つとロクなことがないので一応押さえておく。



ブライトラインは前走チグハグだったとはいえ、千四であれだけ終いが甘くなるようでは距離延長は厳しそう。
あとはゴールスキーだが、相手強化の今回はさすがに厳しいと判断した。



明日は小倉大賞典もある。
ラストインパクトの川田将雅、エディンの藤田伸二の他に、
JRA全10場重賞制覇の記録がかかる蛯名正義もサンライズメジャーとのコンビで参戦する。
日経新春杯で不発に終わったラブイズブーシェとかおもしろいんじゃないかと思いつつ、ここはスルー。