各地で物議を醸したアメリカJCCの件。
ダノンバラードが最後の直線で内側に斜行しトランスワープ、ゲシュタルトの進路を阻んだが、
降着にならなかっただけでなく、
入線直後には審議のランプすら灯らなかったことが話題となった。

JRAおひさるからの報告は以下の通り。

第1位に入線した3番ダノンバラード号(F.ベリー騎手)は、最後の直線コースで急に内側に斜行し、5番トランスワープ号(大野 拓弥騎手)及び6番ゲシュタルト号(勝浦 正樹騎手)の進路が狭くなりました。
このことについて、5番トランスワープ号(2位入線)の調教師及び騎手から、最後の直線コースにおける3番ダノンバラード号(1位入線)の進路の取り方について、降着の裁決を求める申立てがありましたが、その影響がなければ5番トランスワープ号は3番ダノンバラード号より先に入線したとは認めなかったため、棄却しました。
ただし、F.ベリー騎手は、1月26日(土)から2月10日(日)まで騎乗停止となりました。
■開催競馬場・今日の出来事、明日の取消・変更等-JRA

たぶん、ポイントは大きく分けて4つに絞られると思うのです。

1. ダノンバラードが降着にならなかったこと
2. トランスワープが先着できなかったと判断した基準
3. 審議のランプすら灯らなかったこと
4. F.ベリーへの開催6日間の騎乗停止処分

まず1.については残念ながら何も言うべきこともなく。
今年度から採用された新ルールに則った結果です。
ただし、その判断基準については言及しておかねばならない。
つまり2.の「トランスワープが先着できなかったと判断した基準」ですね。

その前におさらいしておきたいのが、「どんな場合に降着となるのか」ということです。
こちらもJRAおひさるからの引用になります。

降着 ・・・ 入線した馬について、「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と裁決委員が判断した場合、加害馬は被害馬の後ろに降着
■2013年1月から降着・失格のルールが変わりました-JRA

上記から読み解くと、降着にならなかったのは、
「どうせダノンバラードが勝っていたよ」という主催者側の判断が下されたからということになります。
だから、審議のランプも灯さなかった(※)。
※新ルールでは5位までに入線した馬の着順に変更の可能性がある場合に点灯するため

何が根拠だったのでしょうか。
ゴール前、ダノンバラードの脚色は確かにしっかりしていました。
それと同時に、トランスワープの脚も、
一度ブレーキを踏んだ馬のものとは思えませんでした。

恐らく、その基準は入線時の着差です。
不利を受けた後、トランスワープは勢い良く差を詰め1馬身1/4差で入線しました。
あのアクシデントがありながら、よくぞ闘志を駆り立てて頑張りました。
しかし着順を動かすには、もう少し足りなかったようです。
実際、JRAの説明で使われている「降着になる場合」のイラストを見てみると、
それに該当するのは少なくとも半馬身〜クビ差くらいまで迫ったケースのよう。
不利を受けたタイミングであったり、ゴール前での脚勢が問題というわけではない。

以下は、採決について取材をされた方のツイートです。

被害馬側とすれば「絶対に逆転していた」と思わしめる追撃が必要だということですね。



新ルールの導入が決まった際、このブログでも概要を紹介しました。
■降着・失格のルール変更について(2012年11月1日)

個人的にはこの「新ルール」自体にはポジティブな感情を持っています。
このルールの肝は「第二のブエナビスタを出さない」であると捉えており、
せっかく強い内容で勝った馬が、
騎手の過失によりその名誉を奪われるのを避けるべきであり、
一方で騎手のラフプレイや技術の欠如には然るべき罰を与えるという理念には賛成の立場です。

恐らく今後もこういう事象は発生するでしょうし、
もしかしたら馬券を買っている馬が被害を受けながらも、
上記の判断基準により降着を勝ち取れないケースにも直面するかもしれません。
仮にそうなったとしても結果を受け入れる覚悟ではいます。
審議のランプが灯らないことについても納得することでしょう。

ただし、施行された新ルールのうち、一つだけ精査をお願いしたいのは下記の点。


今回のベリー騎手に対する「6日間」というペナルティについては、
本当に適正であるのかどうか検討の余地があると思う。
それこそ「やり得」と感じさせないレベルである必要が。
極端な話、馬主や調教師が「あらゆる手を尽くして勝て」と命じられても、
騎手サイドが「いや無理っす。そんなんしたら僕●●じゃないですか」と突っぱねられるものを。



そんな感じでウダウダ書きましたけれども、簡単にまとめれば、
ルール自体は賛成だし、もし自分が損害を受けても納得する。
ただし騎手への処分は要検討ではないでしょうか。

以上です。2行でオワタやん。
まあ、せっかくこうして自己メディアを構えているわけですし、
競馬を楽しむ上で重い要素として関わり続ける話でもある以上、
内容はともあれ自分の考えを残しておくのは大事だと思いました。

少なくとも「知らんがな。どうせなるようにしかならん」で終わらせるよりはよっぽど、ね。