トゥザグローリーがジャパンカップダートに参戦すると聞いて、
時代を振り返る系のネタに手を出したくなった。

ジャパンC・G1(25日・東京)への出走を予定するオルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)が7日、放牧先のノーザンファームしがらきから栗東トレセンに帰厩した。「今週の金曜日(9日)に2週前追い切りをやるつもりです。自分の目で動きやタイムを見て、出走するかどうかを最終的に判断したい」と話した池江泰寿調教師は、鞍上に再び池添謙一騎手を迎えることを発表。凱旋門賞馬ソレミア(牝4歳、仏国)がすでに来日を決めており、再戦の場となるだけに「間隔が短いのでプロフェッショナルな仕事を求められるが、何とか努力して出走させたい」とリベンジに燃える。

 なお、同厩舎のトーセンジョーダン(牡6歳)は、引き続きクリストフ・スミヨン騎手とのコンビでジャパンCへ。トゥザグローリー(牡5歳)はJCダート(12月2日・阪神)を目指す。BCターフ4着のトレイルブレイザーは8日に帰国。着地検疫を経て有馬記念(12月23日・中山)へ向かう。鞍上は武豊騎手。

オルフェ 池添とのコンビでJCへ(デイリー)


オルフェーヴル関連の重大発表も何か書いてあるけど今日はスルーだw

なるほど母トゥザヴィクトリーの足跡を考えれば期待できるセレクトだし、
芝のG1ではやや力量的に劣勢である現状も含め、
好転しうる可能性は十分と捉えていいだろう。

しかし近年はなかなか芝→ダートのコンバート成功が難しいようで。
ひと昔前、それこそトゥザヴィクトリーらが活躍していた時代は、
芝ダート両方でG1を勝つ馬が多数現れたものだが..

などと昼間ぼんやり考えていたこともあり、
そこで時代の移り変わりを客観的に捉えることには定評のある弊ブログで、
「芝ダート兼用機時代」の全盛期を振り返ってみることにした。

まずは、歴代の「芝ダート重賞勝ち馬」の紹介から。
フェブラリーSがG1に昇格した97年以降を調査の対象としています。
※手集計なので抜け落ちがあるかもしれません。ご了承を。

<芝・ダートで重賞勝ち、いずれかもしくは両方でG1勝ち(97年以降)>
ホクトベガ
芝:93年エリザベス女王杯ほか ダート:97年川崎記念ほか多数

タイキシャトル
芝:97年マイルCSほか多数 ダート:97年ユニコーンS

グルメフロンティア
芝:98年中山金杯 ダート:98年フェブラリーS

アグネスワールド
芝:99年アベイユ・ド・ロンシャン賞ほか多数 ダート:全日本3歳優駿(川崎)

エルコンドルパサー
芝:98年NHKマイルCほか多数 ダート:共同通信杯(※降雪による条件変更)

ヤマカツスズラン
芝:99年阪神3歳牝馬Sほか ダート:02年全日本サラブレッドC(笠松)

イーグルカフェ
芝:00年NHKマイルCほか ダート:02年ジャパンCダート

アグネスデジタル
芝:00年マイルCSほか多数 ダート:02年フェブラリーSほか多数

クロフネ
芝:01年NHKマイルCほか ダート:01年ジャパンCダートほか

アドマイヤドン
芝:01年朝日杯フューチュリティSほか ダート:04年フェブラリーSほか多数

メイショウボーラー
芝:03年デイリー杯2歳Sほか ダート:05年フェブラリーSほか

ヴァーミリアン
芝:04年ラジオNIKKEI杯2歳S ダート:07年JCダートほか多数

ブルーコンコルド
芝:02年京王杯2歳S ダート:05年JBCスプリント(名古屋)ほか多数

やはり2000年前後にビッグネームが並ぶ。
外国産馬が強かった時代ですね。
ヴァーミリアンとブルーコンコルドも、もう5年近く前の話。
近年はなかなか兼用機が出てこない。


<芝・ダートの両方で重賞勝ち>
・ワシントンカラー
・ブロードアピール
・サイレントディール
・シーキングザダイヤ
・メイショウバトラー
・ヤマトマリオン
・ヤマニンキングリー
※順不同

このへんの名前を見ても最近の馬は少ないですね。
芝でくすぶり気味のお馬さんはコンバートに挑戦してみません?

<番外編>
・トゥザヴィクトリー ※ダート重賞未勝利もドバイWC2着など
・ゴールドアリュール ※芝重賞未勝利も日本ダービー5着など
・ユートピア ※芝重賞未勝利もNHKマイルC4着など

あー、ユートピアとか芝の重賞勝ってないけど「どっちでもいける」キャラの代表格でしたよね。



とりあえずここまで話を進めてみたけど、この先どうしようかw
あれですね、原因を調査すればいいんですね。

いわゆる「兼用機」が誕生する流れって、
だいたい「最初は芝、やや成績不振に陥ってダート転向」のパターンだと思うんですけど、
ダート路線が整備されて10年以上が経過して、
全体的にレベルが上がった分、
新境地開拓に乗り出してきた芝出身の馬は返り討ちに遭うケースが増えてきたのかなと。
最近フェブラリーSに出てくる芝の重賞ウィナーとか完全にネタ要員やもんね。
ローレルゲレイロとかリーチザクラウンとか..w
このへんはちゃんとG3とかで一度足慣らしした方がいいとか原因は色々あると思うけど。

もうひとつは、芝で好成績を残すために必要なファクターとして、
速い上がりへの対応力がますます求められる時代になって、
そこを追求していくうちにダート適性とはかけ離れた馬の作りになっていくのかも。
日頃の調教や、もっと言えば入厩前のトレーニング内容にも影響していそうで。

あとは..これはちょっと弱いかもしれないけれども、
今の現役競走馬の親の世代くらいからダート路線は整備され始めたことで、
最初から「ダートで走れる馬を作ろう」という配合概念が誕生した時期なのかも。
たぶん10年前なら芝を走ってナンボくらいの考え方だったでしょうし。
ワイルドラッシュ産駒のトランセンドや、
ゴールドアリュール産駒のエスポワールシチーやスマートファルコンの活躍を見てるとそう思う。

箇条書きでまとめると、こんなところなのかな。
  • ダート路線のレベルアップ
  • 芝の高速化でダートとの兼用が困難
  • ちょうど今の現役馬の親世代から芝ダートの路線分割が始まった

もちろんスペシャリストが増えていくことは競技の発展を表すもので、
距離適性においても細分化が進んでいる時代なので、
自然の摂理というものなのかもしれない。この流れは。

ただ、芝→ダートの転向が活発に行われるということは、
優秀な競走馬のキャリア延長に一役買うことになるし、
この道が閉ざされてしまうのは残念な思いが強い。
それこそヴァーミリアンもブルーコンコルドも、
芝の重賞は2歳時に勝っただけで以降は苦戦を余儀なくされていたわけだし。

それに、アグネスデジタルのようなロマンあふれる究極型にもまた出会いたいし。
南部杯1着→天皇賞1着→香港カップ1着→フェブラリーS1着とか、
こんな成績は二度とお目にかかれないかもしれない。
種牡馬としてもヤマニンキングリーを輩出してるし、
「親子でJRAの芝ダート重賞制覇」って偉大な記録。
これはあれですかね、白 井 最 強ってことで落ち着くんですかね。



この流れだと今後はますます分業化は進むと思われる一方で、
ドバイのオールウェザーでヴィクトワールピサやレッドディザイアが結果を残しており、
可能性を感じさせるような気もしている。
また、ダートで圧倒的に速さをウリにする馬も増えてきたので、
今後はダート→芝のチャレンジに期待してみたいなと。
エスポワールシチーの全盛期とか普通に通用したんじゃないかと思うし。

トゥザグローリーの挑戦が思い出させてくれた「あの時代」の名馬たちのように、
久々にオールラウンダー誕生を密かに期待しておくことにしよう。
随分とハードルは高くなってしまったけれども。