忘れ物を、取りにでも行ったつもりだったんだろうか。

京都競馬場に出かけていた、先週の日曜日。
私は中山メインのジャニュアリーSで、
セイクリムズンの単勝馬券を購入した。

鞍上は幸さん、そして管理するのは服部利之厩舎。
そう、あのブルーコンコルドと同じチームが、
再びダート戦線に送り込んできた期待馬である。
1000万下を武豊の手綱で豪快に差し切り勝ち、
前走の御影Sも単勝1番人気に応え危なげなく勝利を収めた。

2010年はダート重賞戦線に殴り込みをかけるべく、
賞金加算&腕試しに臨んだジャニュアリーS。
堅実派のダイワエンパイアに1番人気の座は譲ったものの、
軽ハンデ54kgも買われ2番人気に支持された。

あの時の、リベンジを果たす舞台は整った。

1月の中山ダート1200mといえば、
08年までガーネットSが行われていた条件。
ブルーコンコルドも06年に参戦し、5着に敗れていた。
前年にJBCスプリントで初めてGIを制し、
フェブラリーSのステップレースに登場。
迷わず本命を打ったが、
トップハンデ59kgで馬体重はいかにも余裕残しのプラス15キロ。
底力で掲示板をキープするのが精いっぱいだった。

しかし、残念ながらリベンジはならず。
セイクリムズンは3着に敗れた。
しかもそのレース内容がブルーコンコルドそっくりだった。
ゲートでやや後手を踏み、
3角手前から半ば強引に前との差を詰めにかかり、4角は大外ぶん回し。
その時点での脚勢には目を見張るものがあったが、
最後は末脚が鈍ってしまうという・・

勝てばもちろんハッピーエンドだったが、こういう負け方も味があってまたよい。

ちなみに06年も、先週と同じような3日間開催だった。
当時の私はちょうど大学を卒業する間近で、
この次の日から内定先の会社に研修込みのバイトを始めるところだった。
迫りくる不安と恐怖を感じながら、
この3日間の競馬を堪能していたことを覚えている。
不安材料がいっぱいだったブルーコンコルドを本命にしたのも、
弱気になっていた自分を精一杯、奮い立たせようとしていたのかもしれない。

忘れ物を取ることはできなかったけど、
ちょっと懐かしさに浸らせてくれるセイクリムズンのマクリ脚でした。