◇中山11R スプリンターズS
1着◎スリープレスナイト――55上村洋行
2着・・キンシャサノキセキ――57岩田康誠
3着・・ビービーガルダン―――57安藤勝己
・・・・・・
4着・・スズカフェニックス――57横山典弘
5着・・アポロドルチェ――――55勝浦正樹
6着・・トウショウカレッジ――57池添謙一
7着・・カノヤザクラ―――――55小牧太
8着・・タニノマティーニ―――57吉田隼人
9着・・ウエスタンビーナス――55郷原洋司
10着・・ファイングレイン―――57幸英明
11着・・スピニングノアール――57蛯名正義
12着・・シンボリグラン――――57福永祐一
13着・・ジョリーダンス――――55内田博幸
14着・・プレミアムボックス――57三浦皇成
15着・・エムオーウイナー―――57柴田善臣
16着・・タマモホットプレイ――57石橋脩
【投資:5,000円 回収:6,500円複勝◎130円×5000
予想エントリ:圧巻の北九州記念を、再び。◎スリープレスナイト【スプリンターズS予想】

渾身の◎を打った馬が、思い描いた通りに勝ってくれることはなかなか少ない。
まして出走馬の力量差が小さいGIならなおさらのこと。

しかし◎スリープレスナイトの勝利は、
膨らませていたイメージそのものだった。
外枠発進から好位を追走し、
4角で前を射程圏内に入れて直線で先頭に躍り出る・・
どこにも文句のつけようがない完勝だった。

正直、上村洋行には多少なりとも不安を感じた。
百戦錬磨の名手に比べればGIでの経験が少ないのは明らかで、
ましてこれほどの有力馬の鞍上で感じる空気は未知数に近かったはず。
ついでにいえば、
中山はあのサイレンススズカの弥生賞で苦い経験を味わった場所。
よもやスズカフェニックスにでも屈することがなかろうかと・・

それらはまったくの杞憂に終わった。
「4角でキンシャサノキセキが上がってくるのは予想通りだった」
と振り返るほどの冷静さを保ち、
自信を持ったゴーサインで愛馬をゴールへと導いた。
特筆すべきはゲート。
スタートが切られたその瞬間から、
14番の馬体が半歩飛び出して見えるほどの好発を決めた。
いつものポジション取りが確約された瞬間、
見ている側は「ああこれで大丈夫だ」という安心感をおぼえた。

・・・・・・
それにしても、前半3Fが33.6秒というぬるいラップは何とかならないか?
1200m戦にもかかわらず、
3角を過ぎるまで手綱を引っ張り気味の騎手が多かったのは違和感がある。
スピニングノアールが不利を受けたとかで、
スムーズにレースが流れなかったのも悔いが残る。

2着のキンシャサノキセキも、懸命に行きたがるのをなだめられながら外を追走。
直線では一度、勝ち馬の前に出たがその後の追い比べで突き放された。
これは残念ながら相手が悪かったとしか。

ビービーガルダンはこのペースなら先行集団についていける。
4角で安藤勝己のムチが飛んだ時は脱落かと思われたが、
そこから粘り腰を見せ3着に健闘。

このレースに照準を合わせ、夏を過ごしてきた有力馬が上位を独占。
春からひと息入れていては、
初秋のGIには間に合わないことは改めて立証される結果となった。

逆襲が期待されたスズカフェニックスとファイングレインのGI馬2頭だが、
それぞれ夏の上昇馬の勢いを前に完敗。
特にファイングレインは内で揉まれて終始チグハグなレースぶり。
高松宮記念の勝ち馬は別のGIでの活躍が難しいというジンクスがあるが、
今年もそれを踏襲する結果となってしまった。

勝ち馬と同じ橋口弘次郎厩舎のカノヤザクラは後方から追い込むも7着。
そもそもこの馬が差す競馬に転じなければならなかった時点で、
苦戦を余儀なくされていた。
位置取りが悪かったのは、
指揮官のトーンが低かったとおり状態面に不安があったのかも。
サマーシリーズ優勝の後だけに、ピークアウトしていた可能性が高い。