◇中山11R スプリンターズS
1着・・アストンマーチャン――53中舘英二
2着△サンアディユ―――――55川田将雅
3着・・アイルラヴァゲイン――57松岡正海
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4着◎キングストレイル―――57田中勝春
5着・・タマモホットプレイ――57石橋脩
7着○プリサイスマシーン――57安藤勝己
8着△クーヴェルチュール――53後藤浩輝
9着・・スズカフェニックス――57武豊
10着☆ペールギュント――――57上村洋行
11着▲コイウタ―――――――55吉田隼人

アストンマーチャンはずいぶんと落ち着いていたようだ。
桜花賞、北九州記念ではピリピリした様子を見せ、
レースでもテンからガツンと行きたがっていたのだが・・

これには前々走まで手綱を取っていた武豊も「大丈夫、走れますよ」と太鼓判を押さざるをえなかった。

馬体重もプラス10キロ。中山への長距離輸送を克服。
最も危惧されていたこの関門を突破したことで、
3歳牝馬の短距離チャンピオン誕生の道は切り開かれた。

新しい鞍上・中舘英二とのコンビ。
素晴らしいスタートを決めて「逃げ争い」すら許さず先頭に立つと、
終始リードを保ちながらの先行策。
さすがに最後の1Fは不良馬場ということもあって13.2秒と脚が上がってしまったが、
坂を上がった時点で見ている者には勝利を確信させる完勝だった。

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さすがは「3歳牝馬3強」の一角である。
ウオッカ、ダイワスカーレットとは別の道を歩むと決めた以上、
求められたのは「結果」。
ところが北九州記念では気性面での課題が解消されておらず、
実力を発揮しきれるかどうかが極めて疑わしかったのだが・・

前半3F33.1秒のハイペースを自ら刻み、粘り込んだ勝利。
「もし良馬場だったら後ろの末脚はもっと切れた」という可能性もあるが、
その場合は速い時計を敗因に挙げる差し馬の騎手が多数いたであろうことは容易に想像がつく。

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2着は△サンアディユ
渋った馬場のアイビスSDで頭角を現してきたように、この不良馬場は好材料だったに違いない。
セントウルS圧勝で感じさせた「本物」の予感もウソではなかったようだ。

内枠からロスなく立ち回れたアイルラヴァゲインが3着。
前を捕まえられるだけの決め脚はなく、
最後は勝ち馬と同じくらいの脚色になってしまった。
この馬か○プリサイスマシーンのどちらかがこういう競馬をするだろうとは思っていた。

◎キングストレイルはややテンにもたつき後ろからの競馬。
それでも無理な追走という感じではなく、4角での手応えは抜群だったが、
真っ正直に外を回って差しきれるほど相手も楽ではなかった。

臨戦過程に狂いのあったスズカフェニックスは直線でいいところなく9着と大敗。
☆ペールギュント▲コイウタもそうだが、
スプリンターズSが「夏競馬の延長」という位置づけと仮定するならば、
ぶっつけというローテは理に適っていないのかもしれない。