◇函館9R 函館記念
1着・・エリモハリアー――――57武幸四郎
2着・・ロフティーエイム―――52柴山雄一
3着△サクラメガワンダー――57岩田康誠
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4着△アドマイヤフジ――――57.5福永祐一
5着◎マイソールサウンド――56勝浦正樹
6着△ナムラマース―――――53秋山真一郎
7着○シルクネクサス――――56四位洋文
8着▲モノポール――――――55木幡初広
9着・・マチカネキララ――――56藤田伸二
10着・・メイショウオウテ―――55横山典弘
除外☆コスモテナシャス―――53津村明秀

コスモテナシャスの放馬、競争除外によって逃げ馬が不在に。
他馬の出方をうかがいつつ、ハナを奪ったのはマイソールサウンド。
実に淡々としたペースを刻み、前半の1000mは63秒のスロー。
5Rで行われた3歳未勝利戦よりも2秒以上遅かった。

この展開で浮上してくるのは、
ロスなく立ち回れる先行馬か、もしくは瞬発力に秀でた馬。
メンバー中最速の上がりを記録したのは△サクラメガワンダーだったが、
力の要る馬場を気にしたようでやや追い出しが遅れ、
脚を余すような形で3着に終わった。
また、巴賞を好内容で制した○シルクネクサスも不発。
やはり折り合いに神経を使わされるタイプだけに、
「スローでも動かすと行きたがってしまう」(四位洋文)。
完全に展開に泣かされる結果となった。

好スタートを切って2番手を追走していた△アドマイヤフジにとっては、
おあつらえ向きのペースだったようにも映った。
だが、直線で伸び切れず4着。
これには福永祐一も納得がいかなかったようだ。
トップハンデが不振のレースで課された57.5kgが相対的に堪えたのか、
それとも元来、瞬発力勝負は苦手な部類だけに展開が不向きだったと捉えるべきか。

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人気サイドが総崩れとなった中、エリモハリアーが函館記念3連覇を達成。
巴賞シンガリ負けから、鮮やかすぎる激変を見せた。
この馬場での上がり3F35.2秒は優秀な数字。
あまり切れ味に定評のあるタイプではないが、
思えば2年前のこのレースも上がり3F35.4秒で突き抜けていた。
時計のかかる馬場での切れ味勝負なら任せろ、といったところか。

次は札幌記念に向かうとのこと。
昨年はアドマイヤムーンらを相手に瞬発力の違いを見せられる結果となった。
やはり今年も分の悪い戦いにはなるだろうが、サマー2000シリーズ優勝を目指す。

同一重賞3連覇は偉大な記録だが、毎年騎手が違うというのも珍記録ですね。

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2着にはブービー人気のロフティーエイムが突っ込んだ。
外を回らされた前走とは違い、うまくロスなく運べたのがよかったとか。
決め脚はそれほどではないだけに、積極的に動いていったのが好走の要因だろう。

それにしても◎マイソールサウンドはよく頑張った。
あそこまでスローに落とせば、そこそこ見せ場も作れて当然かもしれないけれど。
4角でもうちょっと後続を引き離せる力が残っていればあるいは・・

△ナムラマースは終始チグハグな競馬。
折り合いを欠き、一時は先頭に躍り出てしまいそうだったほど。
さらに直線では進路を失うロスもあった。
秋山真一郎は巴賞でもフィールドベアーでロスの多い競馬をしていたし、
ちょっと目立つところでよろしくない騎乗が続いている。

いくら何でもマチカネキララは負けすぎだろうと思っていたら、
どうやら手術したノドに関するアクシデントがあったとか。
引き揚げてきたときは「死にそうなほど苦しがっていた」(藤沢和雄師)そうで、
厳しい大差負けとなってしまった。

メイショウオウテはハ行を発症。
完走こそしたものの、後方をついて回るだけだった。

時計はかかったものの、瞬発力に重点を置かれた勝負となり、
あまり「夏のハンデ重賞」という趣は感じられなかった。
それならばサクラメガワンダーあたりが突き抜けてしまってもよさそうなものだが、
勝ったのは「夏の、函館の申し子」エリモハリアーだった。
【投資:1,800円 回収:0円】