牝馬が64年ぶりに日本ダービーを制した。
ウオッカに対しては、どれだけ賞賛の言葉を並べても足りないぐらい。
だけど、当事者たちのリアクションは極めて冷静。
日本ダービーを勝った喜びは少なからずあっただろうが、
歴史を塗り替えた類の歓喜の様子までは感じられなかった。
それは恐らく、我々以上に「ウオッカならやれる」という自信があったから。
何も驚くことはなかったのだろう。

これでフランスまで征しようものなら、さすがに少しはビックリするのかな・・

16年ぶりの父内国産ダービー馬は、父娘制覇という思いもよらぬ形で誕生した。
シンボリルドルフ&トウカイテイオー親子と同じ、
ファーストクロップでの「ダービー馬はダービー馬から」。
しかも親子揃って同じ勝負服に彩られての勝利。
さらには馬番まで同じ「3番」だったのだから恐れ入る。

父の現役時代を知る馬が、こうして栄冠を手にする。
ようやく日本ダービーで「血の継承」が果たされた。
個人的には64年ぶりの偉業よりも、
16年ぶりの親子制覇に価値を見出したい。

約2年半も前に、こんなことを書いていたのをこっそり覚えていた。
■サンデーサイレンスの時代。
「非SSのダービー」。勝ったのは確かに、意外性にあふれる存在だった。