「姫」vs「魔女」。昨年のエリザベス女王杯に続く再戦である。
事実上無敗の4歳カワカミプリンセスと、
未だ衰えぬ6歳スイープトウショウが激突。
牝馬の頂点を争うという意味では、
最高のマッチメイクが実現したことになる。

その一方で、これだけレベルの高い激突となれば、
わざわざ牝馬限定のGIでなくてもよかったのではという思いもある。

それこそ、05年にスイープトウショウが2着した安田記念に、
2頭とも駒を進めてくれれば十分に盛り上がったはず。
何せここには、牡馬の中距離チャンプ・ダイワメジャーや、
新短距離王スズカフェニックスに香港の強豪たちも出てくる予定。
未知の勢力図が入り乱れる、素晴らしいGIが見られただろうに。

もちろん、この後2頭とも安田記念に向かう可能性だって残されてはいる。
だが今年に限って言えば、
ヴィクトリアマイルというレース自体いらなかったかもしれない。

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牡馬に交じっても互角以上に走れる期待を抱かせてくれる2頭。
だからといって、
この2頭がウオッカとダイワスカーレットみたいにマッチレースを演じるかというと、
それは全く別の話である。

特に、いわゆる「底力」を問われない、
昨年のような直線だけの瞬発力勝負になろうものなら、他の馬にもチャンスは出てくる。
立ち回りの巧さ、一瞬の脚の鋭さ・・
それくらいのスペックで太刀打ちできる戦況が待ち受けているかもしれない。

例えて言えば、
カワカミプリンセスがポルシェなら、
コイウタは「本日の人生に」ヴィッツ。
みたいな。
高速道路を走ればどちらが速いかは一目瞭然だが、
街を買い物するときなら果たしてどちらが便利だろうか・・そんなイメージ。
アクセルをベタ踏みする期間が短ければ短いほど、ヴィッツの勝機は増す。

搭載エンジン・・つまり純然たる能力では敵わなくても、
状況次第では勝つことができるかもしれない。
もしかしたら、コイウタが競馬の妙味を見せてはくれないだろうか。

そして、その時には「ヴィクトリアマイルがあってよかった」と思うのだろう。

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