◇京都11R 菊花賞
1着ソングオブウインド――57武幸四郎
2着ドリームパスポート――57横山典弘
3着アドマイヤメイン―――57武豊
・・・・・・
4着メイショウサムソン――57石橋守
5着アクシオン――――――57田中勝春
7着マルカシェンク――――57福永祐一
8着トーホウアラン――――57藤田伸二
9着タガノマーシャル―――57和田竜二
15着フサイチジャンク―――57岩田康誠

≪回顧≫
ソングオブウインドが力強く末脚を伸ばす。
改めて坂の下りからの脚勢は凄まじいものがあった。
そのすぐ近くの位置からスパートしたのがドリームパスポート
先にメイショウサムソンが進出する展開で、ひと呼吸置いて追い出された。
このあたりは横山典弘の真骨頂。
「これさえ負かせば」という当面の相手をねじ伏せたが、
まさか外から差されることになるとは・・
これもまた横山典の真骨頂、なのかもしれない。

タイトルには手が届かなかったが、馬にとっては収穫の多い一敗だった。
まずは不安視されていた3000mの距離を難なく克服したこと。
しかも、アドマイヤメインが速い流れで引っ張る本格的な流れだっただけに、
最後まで脚色が鈍らなかったことは評価すべきだろう。
「使える脚が一瞬」という寸評もそろそろ訂正されるべきか。

アドマイヤメインも精一杯のパフォーマンス。
日本ダービーのタメ逃げではメイショウサムソンには勝てないとばかりに、
武豊が序盤からハイラップを刻む。
「肉を切らせて骨を絶つ」ミッションは成功したのだが、
一気に襲い掛かってきた前2頭には抵抗する間もなく差された。
それでも、レースを引き締めるには十分な役割を果たしてくれたし、
間接的に三冠阻止にひと役買う形にもなった。

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メイショウサムソン、三冠ならず。
はるか前方にアドマイヤメイン、そして直後にドリームパスポート。
予想通り厳しいポジショニングを強いられる中、
石橋守は勝負どころで自分から動いた。
果たして、これが二冠を制したときと同じタイミングだったのか・・
だが、軽快な逃げを打つアドマイヤメインを捕らえるにはあそこから動くしかない。

結果的にはネオユニヴァースと全く同じ負け方。
前を行く馬を捕らえられず、後ろからも差されてしまった。
敗因が「距離」であるかどうかはわからないし、
実際そんなこともないと思うのだが、
現実として「菊花賞を勝つ力がなかった」ことは確かである。
こんなことを言うのは失礼だが、
皮肉にも三冠を勝つことがいかに難しいかを示す結果となってしまった。
ただ、直線での劣勢を見た瞬間は「掲示板もないか」と惨敗を覚悟したが、
そこから大きく沈むことはなかったところに、
紛れもない二冠馬の意地を感じ取ることはできた。

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天皇賞に出られることとなったのは、すでに3000mを走った後。
マルカシェンクは7着に終わった。
伸びずバテずの内容からも、やはり敗因は距離に求めることになりそう。
まさか連闘で盾取りに向かうことはないでしょうな。
舞台と血統で穴人気してしまったトーホウアランだが、
さすがに骨折休養明けで多くを望むわけにはいかない。これからに期待。

北海道の秘密兵器タガノマーシャルは特に目立つ場面がなかったが、
前走で負かしたアクシオンが5着と健闘。
しかしフサイチジャンクの15着ってのはどうすればいいのか。
ここまで負けると距離がどうこうさえ言うことができんよ!?

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日本ダービー展望の時に書いたことだが、
この世代の主役は激しく移ろった。
ショウナンタキオンに始まり、マルカシェンク、ジャリスコライト、
フサイチリシャール、サクラメガワンダー、アドマイヤムーン、フサイチジャンク・・
それらを平定したのがメイショウサムソンであり、
ドリームパスポートとアドマイヤメインを従える形になった。
その3頭は菊花賞戦線でも主力を務めたが、
最後の一冠を仕留めたのは春には無名だったソングオブウインド。
それが何を象徴するわけでもないんだけどね(笑

■まさに戦国時代―最後に笑うのは・・?≪日本ダービー展望≫